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2020年7月2日(木)

沖縄辺野古調査団が解析

新基地埋め立て護岸 震度2以下で多くの工区崩壊も

“施工中も構造物の安定保てず”

 沖縄県名護市で強行されている米軍海兵隊のための辺野古新基地計画(沖縄県名護市)の埋め立て護岸が、震度2以下の地震により、一部の工区を除き、多くの工区で崩壊する可能性の高いことが1日、分かりました。


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(写真)辺野古新基地建設現場の南岸=6月6日、沖縄県名護市

 2019年から新基地建設予定地と海域の地質・地盤と断層問題の現地調査などに取り組んでいる沖縄辺野古調査団(代表・立石雅昭新潟大学名誉教授)が河野太郎防衛相、沖縄防衛局などに発出する、埋め立て護岸の安定性についての解析を求めた要請書で明らかにしています。

 辺野古新基地の軟弱地盤、活断層問題で、米下院軍事委員会が「海底での地震の可能性、不安定性に対する懸念が高まってきた」と指摘し、国防総省に対し軟弱地盤や活断層に関する改善策、環境計画などの報告を指示する条項を可決しています。

 玉城デニー知事と県民の圧倒的な新基地反対の民意がアメリカ議会に変化を作り出しています。

 防衛省が昨年1月にまとめた報告書「地盤に係る設計・施工の検討結果」では、同新基地の設計震度を「レベル1」に設定していることに同調査団は「何を根拠に大丈夫だと考えているのか」と指摘、根拠となる解析の公表を求めてきました。

 設計震度について国土交通省は「供用期間中に発生する可能性が高い」地震動を「レベル1」、「最大規模の強さを有する」ものを「レベル2」に定めています。

 調査団は、港湾業務などの構造物設計での斜面のすべり崩壊に対する安全検討のための斜面安定解析ソフトを利用。解析の結果、完成時、施工期間中でも構造物の安定が保てないことが判明しました。

 2010年から20年までの名護市豊原では震度1以上が60回、震度2以上が13回、震度3以上が3回観測されています。それぞれの発生頻度からすれば、施工中あるいは完成時に同規模の地震を受ける確率は極めて高い、と指摘しています。

 以上から同調査団は、(1)大浦湾の埋め立て工事の期間中に、震度1以上の地震は必ず発生し2以上の地震は非常に高い確率で起こる(2)震度1以上の地震で少なくともC‐1‐1‐1工区は完成時に崩壊する危険がある(3)震度2以上でC‐2工区以外の護岸は完成時に崩壊する危険(4)震度3以上の地震で少なくともC‐1‐1‐1工区は施工時に崩壊する危険―を指摘しています。

防衛省も解析を

 辺野古調査団の立石代表は、「これほどの事態が予想されながら辺野古、大浦湾で護岸工事を強行するのは無謀以外の何物でもない。防衛省は同様の解析を行い、結果を公表すべきだ」としています。


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