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2020年6月26日(金)

陸上イージス 断念

住民の反対 政府追い詰める

 河野太郎防衛相は25日、防衛省内で記者会見し、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田、山口両県への配備を断念することを24日の国家安全保障会議(NSC)で決定したと明らかにしました。さらに、「その他の代替地を見つけることは極めて困難」と述べ、国内での配備を完全に断念しました。技術的・財政的にも無謀な計画の破綻であり、配備候補地での住民・自治体の配備反対の声に追い詰められた結果です。

 今後、閣議で配備計画の撤回を正式に決めます。一方、政府は、「ミサイル防衛」のあり方など、新たな安全保障戦略について議論していく予定。25日の自民党国防部会では、違憲の「敵基地攻撃能力保有」を求める声が相次ぎました。

 防衛省は同部会で、配備候補地に選定した陸上自衛隊新屋(あらや)演習場(秋田市)と陸自むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)を含めた20カ所の国有地について分析・検討した結果、これら全てで迎撃ミサイルから切り離した推進装置ブースターを敷地内か海上に確実に落下させることは困難であり、代替地を見つけることも困難だとして、配備を断念したと説明しています。

 配備断念を受け、秋田県の佐竹敬久知事は記者団に「ほっとした」と述べました。今後の対応について、住民への詳細な説明を求めました。山口県の村岡嗣政知事は「中ぶらりんの状態を速やかに解消してほしかった。早急な決定に感謝する」と語りました。


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