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2020年6月14日(日)

貧困・格差なくそう

東京都知事選 宇都宮健児さん

18日告示来月5日投票

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 東京都知事選(18日告示、7月5日投票)に立候補を表明した元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児さん(73)は、ヤミ金融問題、反貧困運動、そして今、新型コロナウイルス感染と、一貫して窮地に陥った人のために運動を続けています。貧困と格差、社会悪とたたかう弁護士であり市民活動家です。

「腎臓売れ!」脅しに抗し 高金利被害救済へ奔走

 1980年後半からサラ金の広告が出回ります。商工ローンの「腎臓売れ!肝臓売れ!目ん玉売れ!」という取り立てにたまりかねた保証人が音声を録音し、宇都宮さんの法律事務所に駆け込んできました。

 「東京クレジット・サラ金問題研究会」の事務局長も務めた宇都宮さんは電話の主を告発し、国会にも働きかけ、貸金業規制の流れをつくっていきます。

 1999年に「商工ローン規制法」が成立しますが、今度は非合法のヤミ金が問題になります。全国の弁護士らで全国ヤミ金融対策会議を結成。宇都宮さんは代表幹事として奮闘。ヤミ金融対策法を成立させ、ヤミ金業者を追い込みました。30年以上の取り組みで高金利の隠れみのになっていたグレーゾーン金利を撤廃させました。

反貧困ネット・派遣村…当事者に寄り添い続けて

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(写真)革新都政をつくる会の臨時総会で参加者から激励される宇都宮氏=8日、東京都千代田区

 日雇いを転々とするフリーター、DVから逃れたシングルマザー、自己破産した多重債務者…。貧困の当事者が声を上げようと2007年に反貧困ネットワークが結成され、宇都宮さんが代表、湯浅誠さんが事務局長を務めました。

 約1年後にリーマン・ショック、金融危機が世界を襲います。「派遣切り」「雇い止め」にされた非正規労働者は全国で数十万人と推定されています。寮や社宅を追い出された労働者が年末の寒空、路頭に迷います。宇都宮さんたちは東京の日比谷公園に08年12月31日~09年1月15日まで「年越し派遣村」を立ち上げ、簡易宿泊所を設置し、ボランティアの医療スタッフが健康相談に乗り、弁護士が法律相談に乗ります。

 「日比谷公園に行けば食事と寝る場所があるらしい」。関東一円から行き場を失った500人以上の人が「派遣村」にたどり着きます。同名誉村長が宇都宮さんでした。

コロナ危機では電話相談・基金設立

 今回のコロナ危機―。反貧困に取り組んできた弁護士、活動家の仲間とともに宇都宮さんは電話相談にも取り組み、その声をまとめて政府に要望書を提出しました。

 また、反貧困、労働、自立支援などの団体が結集し、「新型コロナ災害緊急アクション」を3月下旬に結成し、「緊急ささえあい基金」を呼びかけ。現在、1200人以上の人から5600万円を超える寄付が集まっています。

住まいの貧困解消に期待 都営住宅増設提案は画期的

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長 大西連さん

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(写真)大西連さん

 宇都宮さんは、年越し派遣村の名誉村長もして、非正規労働者が住宅問題を抱えていることをよく知っておられます。生活が苦しい状況にある人の事をよく理解し、その視点に立つことができる人だと心から思います。

 また、宇都宮さんとは、2014年から新宿区で「新宿ごはんプラス」という生活困窮者支援の活動で一緒に共同代表をしています。

 この間、宇都宮さんが借金問題で困っている人からの電話に1時間も傾聴して相談にのる姿などを見てきました。生活保護の申請や借金問題で宇都宮さんに手伝ってもらった人はみんな「(宇都宮さんは)信頼できる人だ」と口をそろえて言いますよ。

 石原都政以来、都営住宅を増やさない政策が続くなか、都知事選で、都営住宅を増やそうと提言していることはすごく画期的なことです。

 いま、ネットカフェで生活する人や住まいの不安定さを抱える人、老朽化したアパートからの住み替え先がなくて困っている高齢者がいます。一人ひとりに寄り添い生活基盤を整えることを都政の重要課題の一つにしてくれる候補者は他にいないと思う。

 生活者の視点に立って考えてくれる宇都宮さんにすごく期待しています。


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