2020年6月12日(金)
死亡の回転ずし店長 労災認定
過労死ライン超す月84時間残業
東京・三鷹労基署
首都圏の回転ずしチェーン「元祖寿司(ずし)」の店長だった男性=当時(41)=が昨年5月に突然死したのは長時間労働が原因だったとして、三鷹労働基準監督署(東京都武蔵野市)が労災認定していたことが10日、分かりました。認定は5月25日付。遺族らが10日、記者会見して明らかにしました。
代理人の川人博弁護士によると、男性は「元祖寿司」を展開するサカイ総業グループへ2014年に入社。16年7月からは2店舗で店長として週6日勤務し、調理や従業員の指揮、顧客対応などに追われ、深夜帰宅が常態化していました。
19年5月7日未明に帰宅後、朝になって息をしていないことに妻が気づきましたが、亡くなっていました。死因は致死性不整脈による心停止でした。
労基署は亡くなる直前の6カ月の平均残業は過労死ライン超えの84時間37分と認定。休憩を含む拘束時間も月300時間前後と認定しました。遺族側は残業月97~130時間と主張しています。
男性の妻は「いつも帰ってくるとぐったりしていた。労働者は使い捨ての駒(こま)でしょうか。突然亡くなってしまう方、悲しい思いをする方が減るよう、長時間労働が改善されることを願います」とのコメントをだしました。
川人弁護士は「外食産業の店長が長時間労働となる職場が多い。コロナ問題で休業が解除され、再び過重労働に陥る危険性がある」と指摘しました。