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2020年6月12日(金)

雇用危機打開 検査と保健所 学びの保障

新局面のコロナ対策 切実な願いもとに提案

衆院予算委 志位委員長の質問

 日本共産党の志位和夫委員長が10日の衆院予算委員会で行った第2次補正予算案に対する質疑は次の通りです。


 志位和夫委員長 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。

 冒頭、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々への心からの哀悼とともに、闘病中の方々にお見舞いを申し上げます。医療従事者をはじめ、社会インフラを支えて頑張っておられる方々に感謝を申し上げます。

志位「雇用調整助成金の支給遅れは重大。ドイツのようなごく簡素な申請、事後チェックの制度に転換を」

首相「ドイツの制度についても参考にさせていただきたい」

休業者への手当てが遅れれば、大量解雇、大量倒産は避けられない

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(写真)質問する志位和夫委員長=10日、衆院予算委

 志位 まず、雇用危機をどう打開するかについて質問します。

 新型コロナ危機が続くもと、雇用危機がきわめて深刻です。総務省の4月の労働力調査によりますと、非正規労働者の数は前年同月比で97万人減少、営業自粛などによる休業者は過去最高の597万人になりました。

 空前の規模となっている休業者を失業者にしてはなりません。そのために新型コロナの影響で業績が悪化した企業を支援する雇用調整助成金(雇調金)の役割はきわめて大きなものがあります。

 そこで、まずうかがいますが、休業者数は、政府の調査でも597万人にのぼりますが、雇調金の支給決定件数は現時点で6万9898件です。一体、何人の休業者に雇調金が手当てされているのですか。

 加藤勝信厚生労働相 いま委員のお話にありました6月、6万9898件、これは8日時点で、9日時点では約7万6000件となっております。何人という調査そのものは、雇調金申請の簡略化のため一個一個とっておりませんが、サンプル調査をしたところ、支給1件あたりの労働者数は約19人です。したがっていまお示しいただいた6万9898件で掛け算をすると、約33万人という数字になります。

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 志位 33万人という数字ですが、政府調査でも休業者は約600万人ですよ。雇調金の対象となる時短休業労働者を加えると1000万人を超えるわけです。ですから、ごく一部分しか対象になっていない。

 パネル(1)をご覧ください。

 これは雇調金の推移であります。相談件数は44万5019件、6月2日までの数字しかありませんので、実際はさらに伸びていると思われます。申請書提出件数は12万8541件、支給決定件数は6万9898件。(支給決定件数は9日時点で)若干伸びたという話もありましたが、この相談件数と支給件数、この間に大きなギャップがあるわけです。深刻な遅れが続いているわけです。

 中小企業・小規模事業者の現場の声を聞きますと、「労働局の電話がつながらない」、「賃金台帳や出勤実態など、添付書類が多く煩雑だ」、「申請書が受理されるまで何度も書類の出し直しが求められる」、「自力では申請ができず、社会保険労務士を探したが、混みあっていると断られた」など、申請書を提出するまでにたくさんのハードルがあると、共通して訴えられました。

 支給の展望がもてずに、従業員の一部を解雇せざるをえない、あるいは「あきらめ倒産」に追い込まれたなどの訴えも多く寄せられております。

 総理に基本認識をうかがいます。休業者への手当てが遅れれば、大量解雇、大量倒産は避けられません。それを防ぐには、この広がっているギャップを、一刻も早く埋める必要があると考えますが、総理にはそういうご認識はありますか。

 安倍晋三首相 いまおっしゃっているのは、相談件数と支給決定件数のギャップだと思います。もちろん申請をしていただいて、それに対応していくことですが、雇用を維持していくことは政治にとって最大の使命だと考えております。安倍政権においても発足以来、それを最大の使命と考えて政策を進めてきたところですが、今般の感染症に伴う雇調金の処理状況について、先ほど現在の状況について加藤大臣からお答えさせていただいたが、約7万件ということでございます。ただ、出だしにおいてなかなか、さまざまなご指摘もございました。前回(第1次補正予算で)国会でご指摘いただいたときは、まだ200件とか数百件程度しか対応できていなくて、とにかくスピード感を上げていくことを全力で対応させていただいたところですが、一刻も早く雇調金を届けるために、手続きの簡素化、そして支給の迅速化に努めています。そして、直近においては申請から支給の期間を平均で15日程度まで短縮してきたところでございます。

「思い切って発想を変える」というなら、ドイツのような制度への転換を

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 志位 簡素化に努めているとおっしゃいましたけれども、あとでもお話しいたしますが、なお煩雑な添付書類があるんです。それから(平均で)15日程度とおっしゃいました。それは申請から給付までであって、申請に行きつくのが大変なんですよ。それはさっきの図が示しております。

 私は、4月29日の当委員会での質疑で、「審査してから給付」では間にあわない、「まず給付し審査は後で」に切り替えるべきと訴えましたが、いまそういう大転換が必要だと思います。

 ドイツには「クルツアルバイト」――時短労働給付金制度という日本の雇調金と同じ種類の制度があります。やむを得ない事情で企業が従業員の労働時間を短縮する場合、従業員の賃金減少分の6割を国が補てんするものです。

 驚くことに、ドイツ連邦政府の発表によりますと、3月から4月26日までの2カ月足らずの期間に、75万1000件、1010万人の労働者の時短・休業がこの給付金制度でカバーされたといいます。日本でいえば1500万人に匹敵する労働者が対象となっている。

 なぜ驚くほどのスピードか。

 体制強化もあります。ドイツでは時短労働者給付金の処理のために、連邦雇用庁の人員を14倍にして8500人体制であたったといいます。

 同時に、日本と決定的に違うのは、申請と審査の進め方です。

 パネル(2)をご覧ください。

 ドイツの「クルツアルバイト」の申請書類です。新型コロナ対応で申請書類が簡略化され、たった2種類になりました。一つは、左のもので、従業員に払う休業手当総額。二つ目は、右のもので、従業員ごとのリストです。

 連邦政府の申請用紙をダウンロードして、記入し、オンラインで送るだけ。連邦雇用庁は、申請から15日以内に送金することを誓約しています。添付書類はいっさい必要ない。事前審査もありません。給付が先。審査は事後で、全数審査ではなく、抜き打ち・抽出審査のみです。雇用主は、事後チェックで不正が明らかになれば全額返金することを誓約する。こういう仕組みです。徹底した「性善説」でやっているわけです。

 総理にうかがいたい。総理は、5月25日の記者会見で、雇調金の支給遅れを問われて、「いままでの審査のやり方でいくと時間がかかっているというのは事実であり、思い切って発想を変えることもとても大切」、「真剣に反省」が必要、こうのべました。「しっかりと性善説に立って対応していく」とものべました。4月28日の予算委員会では「不正などは事後対応」でもよいとものべています。

 総理に提案したい。「思い切って発想を変える」「性善説に立って」というなら、ドイツのような制度、すなわち、ごく簡素な申請書類以外の書類の提出は求めない、給付が先、審査は事後チェックで、という制度への転換をはかるべきではないですか。600万人の休業者を失業者にしないためには、このくらいの転換が必要ではないですか。「思い切って発想を変える」と総理がおっしゃったんですから、総理がお答えください。

「申請を簡素にした」というが、多くの添付書類を求められる

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(写真)質問する志位和夫委員長=10日、衆院予算委

 厚労相 ドイツ等々、参考にすべきものは参考にしていくべきだと思います。ただ、ドイツも事業主の支払いが先という原則になっていることは申し上げておきたい。それからさっき33万人とお聞きになったかもしれませんが、133万人でありますし、直近の数字では144万人という状況です(33万人という数字は厚労相の言い間違え――編集部)。私どもとしてもできるだけの簡素化も進めさせてもらいました。オンラインについては、2回スタートして途中で頓挫するという、これはおわびしなければならない。そうした作業を一つひとつ進めていく。

 志位 いま大臣が簡素にしたとおっしゃいました。ただ、社会保険労務士のみなさんにお聞きしますと、「タイムカード、出勤簿、シフト表、給与明細、賃金台帳などの多くの添付書類がある。添付書類がそろえられず、申請までたどり着けない事業者が多い」、このように訴えておられます。しかも簡素にしたのは従業員20人以下の小規模事業所だけで、それを超えると極めて複雑かつ煩雑な手続きが強いられる。ですから中小企業家同友会は、「性善説」に立つというなら、「添付書類の廃止」を求めています。

上限額はイギリス並みに引き上げた、支給方法はドイツ式を取り入れよ

 志位 今度は総理にお答えいただきたい。

 私は、4月29日のこの委員会の質疑で、雇調金の上限額を2倍にして、イギリス並みの月33万円まで引き上げることを求めました。総理は、あのときにあれこれの理由をつけて難しいといったが、結局、イギリス並みに引き上げました。やればできるじゃないですか。これは総理の意志一つなんです。これは評価したいと思います。ただ、事前審査の仕組みが変わっていないためにスピードが間に合わないんです。間に合わなかったらつぶれちゃう。限度額はイギリス並みに引き上げたのだから、いま大臣も参考にするとおっしゃったけど、支給方法はドイツ式を取り入れる、よいものは外国に学ぶ。総理、どうですか。

 首相 いま委員がおっしゃったように、たしかにさまざまな国の制度があるわけで、総合的なものをよく見ていく必要がある。たとえばいまドイツの制度についても参考にさせていただきたいと思います。しかしドイツの制度も、われわれが把握しているところによりますと、ドイツにおける操業短縮手当は、申請から支払いまでの期間が、最大営業日で15日間ということです。日本の場合は平均でございますから、最大とは違いますが、日本は平均で15日間であるということは申し上げておきたい。

 志位 ドイツも15日、申請からかかるということですが、日本は申請に行きつくまでが大変なんです。さっきの表に示されているわけでして、ですから総理、参考にするといまおっしゃった。ですから、良いものは全部取り入れる。総理が「思い切って発想を変える」とおっしゃったんですから、600万人の休業者を救うためには制度を変えないとだめです。そのことを強く重ねて求めたいと思います。

志位「18道県知事の『緊急提言』をうけ、積極的検査戦略への転換を」

首相「自治体とも密接に連携しながら検査体制の整備をしっかり進めていく」

厚労相「(院内感染対策として)感染の可能性、端緒があれば、関係する人はすべて検査をする。費用は全額公費負担とする」

無症状者も含め検査対象者を適切かつ大規模に拡大し、先手を打って感染拡大防止を

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 志位 感染拡大の「第2波」に備えた、検査体制と保健所体制の強化についてうかがいます。

 経済・社会活動を再開させつつ、再度の緊急事態宣言を回避するために最大の力を注がなければなりません。そのためには、「第2波」の兆候を的確につかみ感染拡大を早期に封じ込める、検査体制の抜本的強化が必要です。

 今日、提案したいのは、政府として、これまでの検査のあり方を根本から見直し、積極的な検査戦略への転換を行うということです。

 パネル(3)をご覧ください。

 5月11日、広島、岩手、愛知など18道県の知事が、「感染拡大を防止しながら一日も早く経済・社会活動を正常化し、日常を取り戻すための緊急提言」を発表し、「積極的感染拡大防止戦略への転換」を訴えました。その要点を抜き書きいたしました。読み上げます。

 「有症者に対して受動的に検査を行うのではなく、発想を転換し、……適切に検査対象者を設定して検査を大規模に行い、……先手を打って感染拡大を防止する」

 「ごく軽症も含むすべての有症者やすべての接触者への速やかな検査を行うとともに、……症状の有無に関わらず医療従事者及び入院者、並びに介護従事者及び介護利用者等、医療・介護・障害福祉の機能確保に重要な関係者については優先的に検査を行う」

 PCR検査の検査能力を、現在の2万件からまず10万件に引き上げ、20万件をめざすとしています。

 この「緊急提言」の考え方というのは、これまでのような強い症状が出た有症者に対して受動的な検査を行うのではなくて、発想を転換して、無症状者も含めて検査対象者を適切かつ大規模に拡大し、先手を打って、「感染拡大を封じ込める攻めの戦略」を行おうというものです。

 総理にうかがいたい。私は、「第2波」に備えて再度の緊急事態宣言を回避しなければならない。回避するためには、この「緊急提言」は積極的で合理的提案だと考えます。受動的検査から積極的検査への戦略的転換を、政府として宣言し、断固として実行に移すべきではありませんか。

現場の医師まかせでなく、国の方針として積極的な検査戦略を宣言するべきだ

 首相 PCR検査については、医師が必要と判断した方や、あるいは症状の有無にかかわらず濃厚接触者の方が確実に検査を受けられるようにすることが、重要だと考えています。また医療、介護従事者や入院患者等に対しても、感染が疑われる場合は、症状の有無にかかわらず検査を行うこととしています。

 PCR検査体制については、保険適用による普及促進や抗原検査の活用による検査能力の増強に加えまして、唾液の活用などによる検体採取の体制拡充を急いでいきたいと、こう思っております。

 こうした取り組みを推進するため、今般の第2次補正予算においては、委員ご指摘のPCR検査体制の整備の経費のみならず、検査キット等の確保のための経費を大幅に拡充するとともに、検査設備の整備を支援する交付金を思い切って拡充し、そして全額国費負担とするなどですね、自治体とも密接に連携しながら検査体制の整備をしっかり進めていきたいと思っております。

 志位 政府がこの間、濃厚接触者に対しては無症状の方でも検査を行うというふうに変えたことは、私は評価いたします。一歩前進だと思います。

 ただ、いまの総理の答弁は、(いろいろと)努力するけれども結局は「医師が必要と判断すれば」と、現場の医師まかせになっている。私は、そうじゃなくて、国の方針としてこういう積極的な検査戦略を宣言するべきだと、実行すべきだと言っております。

 これまでのような有症者に絞る検査では、結局、追えなくなって――(感染)経路不明者が増えて、感染経路が追えなくなって、そして緊急事態宣言に至ったわけであります。それを回避するためにも、こういう転換が必要だということを提起しているのであります。

「厚労省がわずかの予算を渋っていることが医療崩壊を招く」――この批判にどうこたえるか

 志位 具体的にもう1問聞きます。

 医療・介護・福祉施設へのPCR検査をどうするかが焦点になってまいります。「日経ヘルスケア」によりますと、この間の医療機関の院内感染は約210カ所、介護・障害福祉サービス事業の施設内感染は約70カ所、「医療崩壊」「介護崩壊」に直結する深刻な事態が引き起こされました。

 どうやって院内・施設内感染を止めるか。

 岐阜大学前学長で東京大学名誉教授の黒木登志夫氏は、最近発表した論文で、院内感染防止に成功した三つの病院――和歌山済生会有田病院、岐阜大学病院、東京医科歯科大学病院の取り組みを分析して、接触した可能性のある人、職員、入院患者のPCR検査を徹底して行ったことをあげて、次のようにのべています。

 「この3例を通じて、院内感染の予防にはPCR検査がいかに重要であるかが分かります。しかし、分かっていないのは厚労省です。……院内感染を防ぐための接触者、職員などの無症状の人への感染確認の検査は、病院の負担になります。……厚労省がわずかの予算を渋っていることが病院クラスターを作り、医療崩壊を招くのです」

 濃厚接触者については無症状の方も検査の対象にすることは、先ほど言ったように評価します。しかし、こういう問題があるわけです。

 総理にうかがいます。政府に対するこの批判、どう受け止めますか。私は、少なくとも地域で感染拡大の兆しがあれば、医療・介護・福祉施設の関係者に対しては、国の責任において、無症状者も含めて積極的にPCR検査を行うという方針を明確にとるべきではないかと考えます。いかがですか。総理お答えください。

 厚労相 委員からも評価いただきましたように、積極的疫学調査で、濃厚接触はこれまでは症状がある方を中心にしておりましたが、無症状の方もすべからく検査をするという方針を出させていただきました。無症状とお話をされていますが、全ての方が無症状ですから、そういった意味で全ての方を検査することはできないということは委員ご承知の通りであります。

 そこに感染の可能性がある、その端緒があれば、例えば1人でも陽性者が発生している等々があれば、いま申し上げた積極的疫学調査を行って、そしてその関係する人は全てやる、これはいまの方針にありますし、その費用は、病院の負担ではなくて、これは行政検査ですから、国費あるいは地方公共団体が負担する。また、医療現場においても医師が必要と判断すれば、その方が仮に無症状であったとしても、これは別途、医療保険と自己負担分は国費で適用する、こういう仕組みになっています。まさに知事会からもご提言があるように、PCR検査含め、入院体制も含めて、しっかりこの期間に充実していきたい。

 あと1点だけ、各都道府県に対しても、検査体制に対して一定の前提を置いて、どういう形をとっていくべきなのか、いま、投げかけをさせていただいています。都道府県ともども一緒になって検査体制の充実を図りたいと思います。

専門家会議自身が「地域の流行状況に応じ、迅速にPCR検査を実施」と言っている

 志位 先ほどの点(濃厚接触者に対しては無症状でも検査する方針)は評価しますが、濃厚接触と認められない医療・介護従事者は、依然として病院・施設の持ち出しになっているんです。だから、こういう批判があるんです。

 政府の専門家会議自身が、院内感染、施設内感染対策として、「地域の流行状況に応じ、迅速に抗原検査やPCR等検査を実施」(5月29日、状況分析・提言)すると言っているわけです。18道県の知事の「緊急提言」を私は重く受け止めるべきだと、戦略的転換をやるべきだということを強く求めたいと思います。

志位「保健所数の激減にこそ、保健所の疲弊をつくった原因があるとの認識はあるか」

首相「市町村保健センターとの役割分担を行った」

志位「反省がない。市町村保健センターに感染症対策はできない」

日本医師会会長も「削減しすぎはよくなかった」――削減方針の間違いは証明された

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 志位 次に進みます。

 保健所の体制の抜本的強化の必要性は、コロナ危機を通じて痛いほど実感されました。5月29日の(政府の)専門家会議の(状況分析・)提言では、「保健所の業務過多」として、「電話がつながらない」、「相談から検査を受けるまで時間がかかる」、「検査が必要な者に対し、PCR等検査が迅速に行えなかった」などをあげ、「保健所の体制強化」を訴えております。なぜ保健所の疲弊という事態が起こったか。

 パネル(4)をご覧ください。

 これは簡単な図でありますが、全国の保健所数は1990年の850カ所から、2019年に472カ所へと激減しました。今回、保健所の職員のみなさんは、不眠不休で奮闘されましたが、パンク状態に陥りました。総理、この間のこの削減にこそ、保健所の疲弊をつくりだした原因があるとの認識はありますか。総理、お答えください。

 首相 保健所についてはですね、確かにご指摘のように近年減少傾向にはありますが、市町村の保健センターとの役割分担の明確化や機能強化を進める中で、保健所の集約化が進んだ結果によるものと承知しております。そうした中で今回、感染者数の増大が見られた局面では、保健所の業務増大等によってですね、医師が必要と判断した方に対して、PCR等の検査が迅速に行えない地域を生じてきたわけでございますが、接触機会の削減など国民のみなさんのご協力をいただく間に、検査体制の拡充を進めた結果、現在このような状況を改善できたと考えています。

 志位 反省が見られません。いま、市町村保健センターとの役割分担をやっていると言いました。しかし、市町村保健センターというのは感染症対策はできませんよ。今度のコロナの問題でも、さまざまなPCR等の検査のアレンジ(手配)をやったのは全部保健所です。その保健所がこれだけ減っていることを問題にしている。職員数も3万5千人から2万8千人に減っております。

 ですから、日本医師会の横倉会長は、最近の新聞のインタビューで、「バブル崩壊後の行政改革で保健所は半分近くに減少しました。職員数も減り、保健所の皆さんは今回、大変苦労された。削減しすぎたのはよくなかった」と一喝しているわけです。この数カ月の保健所のパンク状態が、削減の方針が間違いだったことを、私は、証明していると思う。

10年前の自らの警告を無視した、安倍政権の責任は重大

 志位 総理にもう1問聞きます。重大なことは、今日の事態というのは10年前に警告されていたということです。2010年に発表された政府の『新型インフルエンザ対策総括会議報告書』は、次なる新型感染症の発生に対応するため、「保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化、人材の育成を進める」と提言しているのです。

 にもかかわらず、安倍政権のもとでも、保健所の箇所数はさらに減少し、人員不足も解消されてないじゃないですか。総理、警告を無視して、今日の事態を招いた責任は安倍政権にある。反省すべきじゃないですか。政府の『報告書』にも背くことをやってきた。安倍政権の責任、反省してしっかりやるべきだと(考えます)。いかがですか。

 厚労相 先ほど総理が申し上げたように、この間の保健所の縮減は、市町村との役割分担の明確化、機能強化を進める中で進めてきたわけで、安倍政権の中で、例えば保健師の数でみれば、平成24年度7781人が平成29年度は8326人、保健所における保健師の数は増加しているという事実もあります。またこの間、新型コロナウイルス感染症の対応において、本当に保健所のみなさんには大変ご苦労いただき、また大変なご対応いただいて、心から感謝申し上げたいと思います。そうしたことに対して、医療機関の受診調整等に必要となる等々の人員の雇用に対する経費を助成するとともに、外部に対してそうした外部委託等々もお願いをしたところであります。

「第2波」にそなえて、一刻を争って保健所体制の強化を

 志位 保健師の数を増やしたというんですが、職員の数はさっき言ったように大きく減っているんです。反省しなくちゃいけない。いろいろやるというんですが、第2次補正予算案には、保健所の恒常的な体制強化のための予算は1円もありません。これでいいんですか。「第2波」にそなえて、しっかり予算をつけ、保健所体制の強化を、一刻を争って行うことを強く求めたいと思います。

 さらに、深刻な経営危機に陥っている医療機関への減収補てん、コロナ対応の医療機関とともに、非コロナの医療機関に対しても、減収補てんを急いで行うことを強く求めます。

志位「一人ひとりの子どもに丁寧に寄り添い、心のケアにしっかり取り組む手厚い教育が必要ではないか」

首相「子どもたちの心に寄り添いながら、しっかりサポートしていく」

「コロナ×こどもアンケート」――かつてない不安とストレスを抱えている

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 志位 もう一つ、大事な問題をお聞きしたい。

 子どもたちへの教育について質問いたします。これは総理の教育に対するお考えをしっかり語っていただきたいと思いますので、ぜひお答えいただきたい。

 6月1日から全国の学校が3カ月ぶりに再開されました。子どもたちも保護者も、喜びとともに不安を抱えての再開になったと思います。

 学年の締めくくりの時期と新しい学年のスタートの時期を含む3カ月もの長期休校は、子どもたちに計り知れない影響を与えています。何よりも長期にわたって授業がなかったことは、子どもの学習に相当の遅れをもたらしました。子どもをとりまく環境の違いによって、学力の格差を広げたという点も深刻です。くわえて、子どもたちはかつてないような不安とストレスを抱えています。

 国立成育医療研究センターが、緊急事態宣言発令中に全国の小中高の子どもを対象に「コロナ×こどもアンケート」を行い、1292人の子どもが回答しています。

 パネル(5)をご覧ください。

 「こどもたちの困りごと」という設問に対しては――1位が「お友だちと会えない」、2位が「学校に行けない」、3位が「外で遊べない」、4位は「勉強が心配」、5位は「体を動かして遊べない」。こういう回答です。

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 もう1枚、パネル(6)をご覧ください。

 「こどものこころへの影響は」という設問でありますが、これにはたいへん子どもさんの気持ちが表れております。「コロナのこと考えるとイヤだ」、「さいきん集中できない」、「すぐにイライラしてしまう」、「寝つけない・よる目が覚める」、「いやな夢・悪夢をよくみる」、「ひとりぼっちだと感じる」、「自分や家族を傷つけてしまう」。こういう回答です。

 私は、いま、こうした子どもを受け止める手厚い教育が必要だと思います。かつてない学習の遅れと格差の拡大に対しては、子ども一人ひとりに丁寧に教えることが欠かせません。子どもたちが抱えた不安やストレスに寄り添い、心のケアを進めるためには、手間と時間が必要です。

子どもたちの心のケアをしっかり行うことが、学びを進めるうえでの前提になる

 志位 とくに私がここで強調したいのは、教育現場で働く教職員の方々に話をうかがいますと、異口同音に語られるのは、子どもたちの心のケアをしっかり行うことが、学びを進めるうえでの前提になるということです。

 心のケアなしにはなかなか学びに進めない。東日本大震災で大被害を受けた地域の学校では、子どもたちと教職員がつらい体験と思いを語り合うことで、学校生活がスタートできたといいます。今回も、新型コロナ危機のもとでの体験や思いを語り合うことは、新しい出発にとって大切になるのではないでしょうか。

 総理の基本認識をうかがいたい。いま、一人ひとりの子どもに丁寧に寄り添い、心のケアにしっかり取り組む手厚い教育が必要だと考えますが、いかがですか。

 首相 学校が再開しつつあるこの現状でまず取り組むべきは、感染症対策と、子どもたちの健やかな学びを両立させていく、そしてあらゆる手段を尽くして、子どもたちを誰一人取り残すことなくその学びをしっかりと保障していくことであろうと思います。

 政府としては、学校における感染症対策を徹底したうえで、学習活動の重点化を含む教育課程編成の考え方を示すとともに、オンライン学習を確立するため、4年間で実施予定であった1人1台のIT端末整備をこの1年間に前倒しするなど、学びの保障に向けた総合的な対策を講じています。また第2次補正予算では、速やかに子どもたちの状況に応じたきめ細かな指導ができるよう、教員や学習指導員など追加配置するなど学校による人的支援も行うこととしております。

 こうした取り組みを通じてまずは、臨時休業の長期化によりさまざまな影響を受けた子どもたちに対する学びの保障を第一に考え取り組んでいくこととしておりますが、同時にですね、いま委員がご指摘になった心の影響をですね、たいへん子どもたちにとってはつらい時間を過ごしたんだろうと、友だちとも会えない、一緒に遊んだりする大切な時間が失われてしまったということだろうと思います。

 そこで、第2次補正予算においては、教員に加えて、学習指導員やスクールサポートスタッフを計8万5千人、追加で配置するとともに、さらにそうした子どもたちの心のケアのためにスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを必要において増員することとしております。そうした、いままでにない経験を積んだ子どもたちの気持ち、心に寄り添いながら、しっかりとサポートしていくことが求められているんだ、それに対応していきたいと思っております。

志位「子どもの実態から出発し、詰め込みではない柔軟な教育が大切ではないか」

首相「学習内容を重点化し、2~3年間を見通して、無理なく学習を取り戻せるようにする」

 志位 心のケアに取り組むことの重要性についてはお認めになったと思います。個々の内容についてはさらにあとで聞きます。

 もう一つ、大切なことは、子どもの実態から出発する柔軟な教育だと思います。教育現場で働く教職員の方々、保護者の方々から寄せられているもう一つの心配は、例年通りの授業をしようと、土曜授業、夏休みや学校行事の大幅削減、7時間授業などで過剰な詰め込みをやりますと、子どもたちに新たなストレスを与えてしまうのではないかということです。

 「子どもは健気(けなげ)なので、学校が始まり友だちと会えば少し元気になり、詰め込み授業ものみ込むが、自分でも気づかない本当の気持ちやストレスは後になって出てきて、成長をゆがめてしまうことにもなりかねない」。こういう心配の声が、共通して私どものところに届いております。

 総理の基本認識をうかがいたいと思います。先ほど学習の重点化ということも言われましたけれども、子どもたちをゆったりと受け止めながら、学びとともに、遊びや休息、学校行事などをバランスよく保障する。そのために、学習内容も本当に必要なものを精選して、一定の内容を、次の学年、あるいは次の次の学年に移す。そうした詰め込みではない柔軟な教育が大切じゃないでしょうか。そうやってこそ本当の学力も身につくんじゃないでしょうか。総理いかがですか。

 首相 この4月以降、学校に通えない日々を送った全国の子どもたちは、感染症の先行きが見通せない不安、ストレスにさらされています。これまでに経験したことのない苦労をしており、学校再開後はこうした子どもたちに寄り添い、きめ細かに対応していくことが重要と認識しております。政府としては学習活動の重点化などを内容とする教育課程編成の考え方を示すとともに、最終学年以外の子どもたちは、2~3年間を見通して、無理なく学習を取り戻せるよう特例を設けます。また子どもたちに、新たなストレスを与えることなく、その学びの保障に向けて取り組むこととしています。さらに先ほど申し上げましたように、臨床心理士等の専門家をスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとして必要に応じて増員するなど、臨時休業の影響を受けた子どもたちの心のケアの充実を図ることとしています。全国の子どもたちが再び笑顔で学校に通える日常を取り戻すことができるように、あらゆる手をつくして支援していく考えでございます。

 志位 いま、学習内容を重点化する、あるいは学習内容を、必要なものは次の年度に移すという特例も設けているということでありました。そういう柔軟な教育、これは否定されないと思うんですが、それを行うためには、子どもを直接知っている学校現場の創意工夫を保障し、尊重することが大切だということも申し述べておきたいと思います。

志位「子どもたちの学び、心のケア、未来のために10万人の教員増を」

首相「2次補正予算では、教員や学習指導員増を行う」

志位「教員加配は10校に1校、全く足らない」

教員10万人、スタッフ13万人増の日本教育学会の「提言」――政治が決断を

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 志位 さて、ここまでは、総理とだいたい意見が一致すると思うのですが、この一人ひとりの子どもに丁寧に寄り添う手厚い教育、詰め込みではない柔軟な教育は、どうすれば可能になるか。

 私が、総理に緊急に検討、対応を求めたいのは、日本教育学会が5月22日に「提言」を発表しまして、子どもたちに学びを保障し、ストレスや悩みにこたえる学校づくりを進めるために、緊急に学校を支えるスタッフの大幅増員を提唱していることです。

 パネル(7)をご覧ください。

 具体的には、(1)小学校3人、中学校3人、高校2人、合計約10万人の教員増を行う、(2)それに加えて、ICT支援員、学習指導員など学びを支えるスタッフを小中学校に4人、高校に2人、合計約13万人配置するという提案です。これにかかる経費は約1兆円ということであります。

 10万人の教員増、これは大きいようですけれど、小中高の教員は全国で90万人であり、約1割を増やそうという目標です。

 日本教育学会(の「提言」)は、10万人確保の潜在的な人材のプールはあることを具体的に示しています。

 一つは、定年退職された教員です。過去10年に定年退職された教員は全国で約20万人、そのうち半分ぐらいが教育現場で活躍されていると想定すると、60歳代で約10万人の新たな人材のプールがあるとしています。

 もう一つは、若い世代で教員免許状をもちながら教職についていない方々です。30代までの世代で数十万の新たな人材のプールがあるとしています。

 ですから、政府が「セーブ・ザ・チルドレン」――「子どもたちを救え」と呼びかけてですね、きちんとした待遇、将来の展望を示せば、この機会に教職に就こうという人たちを確保することは十分にできると思います。

 総理にうかがいます。私たちは、この日本教育学会の「提言」に全面的に賛成です。私は、要は、政治の決断だと思います。総理、子どもたちの学び、心のケア、未来のために、10万人の教員を増やす。政治がその決断すべきじゃないですか。いかがですか。

 首相 確かにこういう状況でありますから、しっかりと学校、学びの場を支えていかなければならない。そのためには人員を大幅に増強していかなければならないと思っております。また政府としては第2次補正予算において、速やかに子どもたちの状況に応じてきめ細かな指導ができるように、教員やまた学習指導員、スクールサポートスタッフを計8万5千人追加で配置するなど学校への人的支援を充実することとしています。これによって、学びの保障に向けて子どもたちのきめ細かな支援を行えるようしっかりと体制整備に取り組んでいきたい。

教員増を中心にすえてこそ学びが保障できる

 志位 いまいろいろやっているとおっしゃったけれども、第2次補正予算案による教員の加配は小中学校で3100人です。全国に小中学校は3万校あるんです。ということは加配されるのは10校に1校じゃないですか。10校に9校は加配ゼロです。高校は全くゼロです。全く足らないといわなきゃならない。

 それから、学習指導員等を増やすとおっしゃいました。ただ、正規の授業を行う資格があるのは教員だけです。学習指導員は、学習の補助の仕事を行うもので、その増員は必要ですし、私たちも求めます。しかし教員増を中心にすえてこそ学びが保障できる。

教員の大幅増は、学校における感染拡大防止のうえでも必要不可欠

図
(拡大図はこちら)

 志位 もう一つ、違う角度から聞きたいと思います。教員の大幅増は、学校における感染拡大を防止するうえでも必要不可欠だと思います。

 政府の専門家会議は、「新しい生活様式」として、「身体的距離の確保」を呼びかけ、「人との間隔はできるだけ2メートル(最低1メートル)空けること」を基本としております。

 パネル(8)をご覧ください。

 これは文部科学省が5月22日に発表した衛生管理マニュアル「学校の新しい生活様式」に記載された図であります。教室の広さは8・3メートル四方となっております。

 この広さで「2メートル」の間隔をとるためには、上の図にあるように20人程度の人数に抑えることが必要になります。下の図――「40人学級」では、「2メートル」はおろか、「1メートル」空けることも難しい。この事実、お認めになりますか。文科大臣。

 萩生田光一文科相 いま示していただいた図は、文科省から各自治体に発出をさせていただいたものです。一点条件がございまして、感染レベルに合わせて学校運営をしていただきたい、柔軟な対応をしていただきたいということでありまして、レベルが高い自治体においては、いまお示しになったように、1人ずつ空けるような使い方、そして感染が低いんだけれども、今後気をつけていく場合にはいまの40人学級をできるだけ離して運営するということで、お示しさせていただいているところです。

「身体的距離の確保」を、教室でもしっかり保障すべきではないか

 志位 この図そのものは文科省がつくったものですから、否定されませんでした。感染レベルに合わせてということもおっしゃいました。

 しかし、教育現場はどうなっているか。調べてみますと、再開後の学校の多くは、まずは20人程度の授業とするため、学級を2グループに分けるなどの「分散登校」「分散授業」に取り組んでおります。ところが、この措置は、ほとんどの学校で途中で終了し、最後まで緊急事態宣言が続いていた八つの都道府県でも、大半の学校が――東京も含めて大半の学校が、6月15日ごろから「40人学級」に戻る予定となっているんです。

 これは自治体の責任ではありません。学級を分けて20人程度の授業を続けるには、現在の教員数ではあまりに少なすぎる。だから「40人学級」に戻らざるを得ないのです。東京でもそうです。

 さきほど紹介した「コロナ×こどもアンケート」の「こどもたちが相談したいこと」の1位は、「コロナにかからない方法」ですよ。子どもたちも心を痛めている。「40人学級」に戻ることに対して、子どもからも、教職員や保護者からも、これは心配だという声があがっております。

 総理にうかがいます。「身体的距離の確保」を「新しい生活様式」の重要な一つとして社会全体で取り組もうというのであれば、子どもたちが学校で最も長い時間をすごす教室でも、それをしっかり保障すべきじゃないですか。

 日本教育学会が提唱する教員10万人増を実現し、それを全国の多人数のクラスに配置すれば、全国的にほぼ20人程度の授業が可能になるんです。感染拡大防止との関わりでも、この機会に教員増に踏み出すべきだと考えますが、今度は総理、お願いします。

 文科相 現在、中央教育審議会において、学校における働き方改革の観点も踏まえつつ、小学校高学年における本格的な教科担任制の導入など、新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて教育課程、教員免許、教職員配置の一体的検討が行われており、これらの検討については今年度中には答申をいただく予定です。

 加えて、今回はコロナのことがありましたので、コロナ後の学校のあり方もしっかり検討してまいりたいと思います。新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて持続可能な学校の指導、事務体制の効率的な強化、充実に取り組んでまいりたいと思います。

 志位 はっきり増やすと言わない。文部科学大臣の仕事は教育現場をいかによくしていくか、これが仕事じゃないですか。政府に対してもっと(教職員を)増やせというのが文科大臣の役割じゃないか。

志位「少人数学級の取り組みを加速させると約束を」

首相「コロナ後を見据えて、検討していきたい」

 志位 総理に聞きます。総理は、2015年2月23日、この予算委員会の答弁で、国会での全会一致の決議を踏まえて、小学校1年生、2年生で実現している少人数学級をさらに広げるために「鋭意努力していきたい」と答弁されているんです。5年前の答弁です。今回の事態を踏まえ、少人数学級の取り組みを加速させると約束してください。5年前のあなたの答弁を踏まえて。

 首相 すでにいまご紹介いただいたように、政府としては、少人数学級に向けて、われわれ努力を重ねてきたわけでございます。前進している、こう考えておりますが、このコロナという状況を受けてどのように考えていくか、コロナを経験したうえにおいて、コロナ後を見据えてどう対応していくかということについては、先ほど萩生田大臣から答弁をさせていただきました、まさに、われわれ、そうしたことを踏まえて検討していきたい、こう思っております。

志位「子どもたちに少人数学級をプレゼントしよう」

 志位 はっきりした答弁が得られないんですが、時間がまいりました。

 いま教職員を大幅に増やすことは、直面するコロナ危機に対応するために緊急に求められているとともに、現在の困難を乗り越えたあとに、子どもたちに少人数学級をプレゼントすることになります。希望ある政策になります。

 この機会に、「ポストコロナ」ということがいろいろと言われる。今日もいろいろな議論をやりました。保健所が足らない。削ってきたことの反省が必要です。医療を削ってきたことの反省が必要です。教育のゆとりをなくしてきたことも反省が必要なんですよ。

 それの転換を、私は、強く求め、そして、子どもたちに少人数学級をプレゼントしようじゃないかということを訴えて、質問を終わります。(拍手)


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