2020年6月8日(月)
家庭のデータを利用
岩渕氏 電事法改定案に反対
参院本会議は5日、電力会社が保有するスマートメーターから得る家庭のデータ利用の解禁を盛り込んだ電気事業法等改定案を自民党・公明党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の岩渕友議員は4日の参院経済産業委員会の質疑で、電力データから家族構成、家族人員ごとの在宅状況、生活サイクルなどが推定できるとして「プライバシーそのものだ」と指摘。消費者団体から個人情報の不正利用が懸念されており「どう個人情報保護を図るのか」とただしました。
梶山弘志経産相は「電力データ提供は中立的な認定組織を介してのみ行える」と答弁しました。岩渕氏は、大手電力会社や大手金融機関、損保、不動産、電通など約120社の大企業が参画する「事業組合」が同組織の主要メンバーになるとし、「データを活用したい事業者の使い勝手のいい制度ができる」と批判しました。
電力データは匿名加工されて提供されるとしていますが、岩渕氏は、他のデータを組み合わせることで個人が特定される恐れがあると指摘。データ提供のシステム構築費などの電気料金への上乗せを検討していることについて「財界のもうけのための費用を消費者に押し付けるべきでない」と批判しました。
反対討論では岩渕氏は「原発と石炭依存を固定化し、再エネ導入の抑制になりかねない」と指摘しました。