2020年6月8日(月)
きょうの潮流
「会社を批判した」「会社に対して反抗的であった」。こんな理由で雇い止めにすることが許されるでしょうか▼理不尽な解雇事件は大阪府守口市で起きました。学童保育指導員13人を3月末で雇い止めにしました。新型コロナで休校となり、朝からの学童保育になっていたさなかのことでした。指導員のほんどが入れ替わり、現場は大混乱しました▼解雇したのは市が業務委託した「共立メンテナンス」(東京都千代田区)。寮やホテル、地方公共団体の業務受託事業などを手がける会社です。京都市で「景観を守れ」と問題になっている世界遺産・仁和寺(右京区)前のホテル建設の事業者もこの会社です▼市長が大阪維新の会顧問の守口市は、市の事業の民間委託を進め、50年を超す歴史を持つ市直営の学童保育事業についても「共立メンテナンス」に委託。学童保育の内容を維持し指導員の継続雇用を確保するとしていました▼市は保護者説明会で継続雇用について、指導員は保護者と児童に慕われていることなど人間関係を築いていると説明。「共立メンテナンス」も希望する指導員全員の継続雇用を約束し昨年4月から委託事業がスタートしました▼ところが、同社は守口市学童保育指導員労働組合の団体交渉を拒否し続けたうえ、解雇の暴挙に出ました。対象は労働組合の役員ら組合員です。明らかな組合つぶしでした。10人が原告となり解雇無効を訴え大阪地裁で係争中です。思いはひとつ。「早く子どもたちのもとに戻してください」