2020年5月30日(土)
復興庁設置法等改定案への岩渕議員の質問
参院本会議
日本共産党の岩渕友議員が27日の参院本会議でおこなった復興庁設置法等改定案に対する質問(要旨)は以下の通りです。
東日本大震災から9年2カ月がたち、いまだに4万人を超える方々が避難生活を送っています。直接の被害に加え、消費税増税や台風被害など、生業(なりわい)や地域経済への打撃が続いていたところに、新型コロナの影響が重くのしかかっています。
復興公営住宅の高齢化と孤独死、心のケアやコミュニティー形成、在宅被災者の問題などの新たな課題が生じています。
昨年末、閣議決定された基本方針は、地震・津波被災地域は、復興・創生期間後5年間で復興事業の終了を目指すとしています。必要な支援を期限ありきで打ち切ることがあってはなりません。
東日本大震災特別家賃低減事業は、復興交付金を使って復興公営住宅の家賃減免費用の一部を支援しています。法案では復興交付金を本年度末で廃止するとしていますが、供用開始時期の違いで同じ支援が受けられなければ不公平です。10年間は補助すべきです。
避難指示解除地域の居住率は3割にすぎません。国は住まいの確保に最後まで責任を果たすべきです。
東京電力は損害賠償の打ち切りも進めています。被害者が損害賠償の請求を諦めることがないよう東京電力を厳しく指導するべきではありませんか。
福島原発避難者訴訟の仙台高裁判決は、避難生活による精神的苦痛への慰謝料増額と、ふるさとを喪失し変容させられた損害への慰謝料を認めました。中間指針の見直しは待ったなしです。
特別会計法改定案は、中間貯蔵施設関連費用など東電が負担すべき費用を国が資金交付している上、別勘定からの繰り入れを盛り込みました。東電の責任を免罪するものです。
福島イノベーション・コースト構想として、広野町、いわき市勿来に石炭ガス化複合発電・IGCCが建設中ですが、気候変動対策に逆行するものです。
梶山弘志経産相は、小委員会が示した処理汚染水の海洋放出・大気放出案について「方針決定の先送りはできない」としています。汚染水タンクの置き場を理由に結論ありきで決定しようとしているのではありませんか。
福島県浪江町議会が海洋放出に反対する決議案を全会一致で可決するなど、反対の声は広がっています。陸上保管を継続し、意見を幅広く聞くべきです。
事故によって故郷も日常も奪い、環境を汚し、ツケを国民に押しつけるのが原発です。原発ゼロの政治決断を強く求めます。