2020年5月30日(土)
きょうの潮流
「明日学校どうしようかなあ…」。毎晩10時ごろ、葛藤が始まります▼学校に行きたい。キャラを変えてがんばって行く。ところがある朝、いつも以上にかたくなな様子で「学校行かない」。再開初日にテストが予定されていました。「センスが悪いなあって思っちゃう私」。SNSへの親の書き込みです▼一方で、家庭がつらくて、再開を心待ちにしてきた子どももいるでしょう。ある中学校教員は、きょうだいで留守番する家に手作りの食事を届けました。さまざまな思いを抱えた子どもが足を運ぶ学校は、どんな学校がいいのでしょう▼「#少人数クラスでゆとりある教室を」。ツイッター上で、こんな言葉が広がっています。発信元の小学校教員は、こうつぶやきます。分散登校が始まり少人数クラスにしたら、一人ひとりがよく見えてきた。いま声をかけるのがいいのか、少し待った方がいいのかが判断できる。「子どもも授業も詰め込みすぎだった」というのです▼休校長期化にからめて、安倍政権が狙った「9月入学」。早期導入を見送る方向で調整に入った、と報じられています。日本教育学会は22日、提言「9月入学よりも、いま本当に必要な取り組みを」を発表。そこには過重な負担をかけない学校生活のヒントが、ちりばめられています。学校づくりをどう進めるか、各地の教職員組合も動いています▼通勤電車はすでに混雑し、時間の流れを「元通り」にする力が働いています。いま必要なのは、ゆるやかな時間の流れなのかもしれません。