2020年5月29日(金)
石綿飛散の対策不十分
山下氏“国は規制権限行使を”
参院環境委
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日本共産党の山下芳生議員は28日の参院環境委員会で、石綿(アスベスト)の飛散防止対策を抜本的に強化するためには大気汚染防止法改定案の内容では不十分だと指摘しました。
冒頭、山下氏は、「泉南アスベスト訴訟」など被害者・家族のたたかいで勝ち取った、「産業の発展を労働者の命と健康より優先させる社会であってはならない」との到達点を胸に行政にあたることが求められていると迫りました。小泉進次郎環境相は「今回の法改正にいたるまでには多くのたたかい、さまざまな歴史があった」と述べました。
山下氏は、改定案で規制対象となった石綿含有成形板(スレート材)などレベル3建材が古い工場建屋の壁や屋根に大量に使用されており、解体時にアスベストが飛散して、周辺のマンション住民や子どもたちが暴露する危険性が高いことを、調査した大阪市西淀川区の実態から告発。事前調査の対象とするだけでなく、解体時の隔離養生、集じん・廃棄装置の設置も義務化すべきだと提起しました。
小泉環境相が、義務化は考えていないと述べ、規制対象にするだけでも「前進」と正当化したのに対し、山下氏は「アスベスト健康被害の一番の教訓は、国が危険性を知りながら規制権限を行使しなかったこと。今またそれが問われている」と厳しく批判しました。
同法案は、賛成多数で可決。共産党は反対し、修正案を提出しました。