2020年5月28日(木)
コロナ対策
診療報酬緊急引き上げを
保団連が政府に要求
全国保険医団体連合会(保団連、住江憲勇会長)は26日、文書で新型コロナウイルス感染症対策強化のため、診療報酬を緊急に引き上げることなどを加藤勝信厚生労働相に求めました。
新型コロナウイルス感染症患者の入院治療を担う病院では、人的、物的、経済的に大きな負担を強いられ、「医療崩壊」の危機が差し迫っており、一般病院・診療所でも感染症対策の強化に多くの負担がかかっていると指摘。
新型コロナウイルス感染症対策の取り組みを評価し、診療報酬とともに初診料・再診料、往診料、入院料等を併せて緊急に引き上げることを要求。感染症の一定収束後も対応が必要なことから恒久的な措置とすることとしています。
さらに、国民の命と健康を守るために、医療供給体制の継続的確保が最も重要だとし、医療機関が経営破綻を起こさないよう、減収分の全額補てんと前年度の診療報酬支払額にもとづく概算請求を認めることなどを求めています。
保団連は4月30日~5月14日、各地の保険医協会を通じて会員医療機関を対象にアンケートを実施。第1次集計速報によると、国や自治体への要望として、感染の影響による損失(減収)への補償を求める声が46・6%を占めました。
アンケートの自由記載欄には「コロナ対策として器具、機材購入をしており、また、マスク、エプロン、アルコールなども高騰している。そのための給付金(補償)があれば助かる」(医師)などの声も寄せられています。
医療界あげて減収補てんの声を
保団連 住江憲勇会長
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新型コロナウイルス感染症患者の入院治療を担う病院では、感染対策費のねん出や人員配置をしなければならず、過大な負担がかかっています。
この点にかかわって、重症や中等度の患者を受け入れる医療機関に対し、診療報酬を通常の3倍化することが中央社会保険医療協議会で25日、了承されたということです。
感染回避による受診抑制に伴い、医療機関の収入が減少していることについて、第2次補正予算案では、診療報酬の見込み額を前払いすることで当座の資金ショートを回避するための一応の手当てが考えられているようです。この間、私たちや医療団体連絡会議の関係者、日本医師会、病院団体による働きかけがあったからこそだと前向きな評価はします。
しかし、前払いしても後から実際の差額を返金させる方式となる見通しです。地域医療を守るため、少なくとも前年同月分ぐらいの減収補てんをするべきだという医療界の要求には応えきれていない。引き続き減収補てんを行うよう医療界あげて声を出していきたいと思います。