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2020年5月17日(日)

復興庁設置法等改定案 高橋議員の質問(要旨)

衆院本会議

 日本共産党の高橋千鶴子議員が14日の衆院本会議で、復興庁設置法等改定案に対して行った質問(要旨)は以下の通りです。


 東日本大震災から9年余、インフラ整備は一定のメドがついても、被災者は10年で区切りをつけられません。復興庁の設置期間延長は当然です。

 復興公営住宅には復興交付金で10年間の家賃特別低減事業が行われていますが、同交付金は今年度末で廃止されるといいます。復興公営住宅は供用開始からまだ5年か、それ未満です。開始から10年は今のスキーム(枠組み)と同じだとお答えください。

 一方、公営住宅の収入基準を超えるため、退去を余儀なくされた方や、同居の子どもが働き始めたことで家賃が大幅に上がった方がいます。岩手県陸前高田市の「みなし特定公共賃貸住宅」のように、住み続けられる支援を行うべきです。

 今年3月、福島県双葉町の帰還困難区域の一部が初めて解除され、全町避難はなくなりました。政府は長い年月を要しても将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除すると繰り返してきましたが、全域の除染を終えるのはいつなのか。3月末で福島県浪江町、富岡町、飯館村、葛尾村の仮設住宅の無償提供が終了。元の住居が帰還困難区域の人もいるのに、見切り発車は許されません。

 トリチウム等汚染水の海洋放出が現実味をおびてきました。政府の小委員会報告では、汚染水の処分も廃炉の一環だとしています。第1原発の廃止措置終了までは30~40年といいますが、廃炉後の処分先も決まっていない中、40年もゴールではありません。幅広く意見を聞き研究の進捗(しんちょく)をみて、当面は現地保管すべきです。

 法案では「福島イノベーション・コースト構想推進機構」に国の職員を派遣できるとし、税制特例も設けます。同構想を県民の8割以上が知りません。国、県合わせて3200億円もの税金が投入される呼び込み型の巨大開発が県民にどう還元されるのか。

 さらに、中間貯蔵施設費用などを拠出する電源開発促進勘定に、エネルギー需給勘定からの繰り入れを可能としました。中間貯蔵にかかわる費用は約1・6兆円。今回はその財源がひっ迫したからと、別勘定から繰り入れます。その原資は電気料金に転嫁するのですか。どこまでも東電救済ありきで、認められません。国は原発事故による「ふるさとの喪失」だと認めた仙台高裁判決をうけ、今こそ東電の責任を全うさせるべきです。

 原子力規制委が青森県六ケ所村の再処理工場の安全審査で事実上合格を決めました。破綻した核燃料サイクルはやめ、原発推進政策を転換すべきです。


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