しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年5月13日(水)

きょうの潮流

 政府の休業要請によって、やむなく閉じている店に盗みに入る。こんな許し難い犯罪が後を絶たないといいます。泣きっ面に蜂の被害者を思うと言葉を失います▼こういう不逞(ふてい)のやからは震災時にも横行しました。世にいう、火事場泥棒です。火事のどさくさに紛れて物を盗む。その意味から、ごたごたにつけ込んで不正な利益を得ることを言い表します▼まさにいまの安倍政権がそう。コロナ禍で社会が混乱しているときに、検察人事に手を突っ込める法改定の強行に突き進んでいます。憲法と三権分立という国の基本を壊す、自分の意のままに捜査当局を操る―。火事場泥棒もあきれる悪行ではないか▼いまやることか、いくらなんでもひどいと、立ち上がったのが無数の市民です。“ツイッターデモ”は数百万にのぼる空前の規模にひろがりました。いままで政治に関係する発言は控えていた著名人や文化人も多く名を連ねています▼演出家の宮本亞門さんは、いま集中すべきは人の命で、「民主主義とはかけ離れた法案を強引に決めることは日本にとって悲劇」だと。激しく燃え上がる国民のいら立ちや怒り。近しい人物を都合よく重用する首相や政権の露骨さとともに、生活の苦しみに寄り添わないコロナ対策への不満や批判が重なっているのでしょう▼小さな声を上げることの大切さ。今回のデモは新たな形となって社会を動かす大きなうねりに。はからずも火をつけてしまった政権。背を向け続ければ手痛いしっぺ返しが待っています。


pageup