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2020年5月13日(水)

声をあげれば政治動かせる

三権分立脅かす検察庁法改定案止めよう

オンライン各党会見 志位委員長が発言

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(写真)Choose Life Project主催「検察庁法改正案に関する緊急記者会見」で発言する志位委員長(上段中央)と各党の参加者ら。上段左端は司会の津田大介氏=12日

 日本共産党の志位和夫委員長は12日、有志の映像グループ「チューズ・ライフ・プロジェクト」の「緊急記者会見」に各党代表らとオンラインで参加し、政府が検察人事に介入する仕組みを制度化する検察庁法改定案について議論しました。(志位委員長の発言)

 志位氏は、そもそも検察官は、人を罪に問える――逮捕し、起訴するという強い権力があたえられた唯一の職であり、「一般の公務員とはまったく違う」と指摘。これまで政治的独立性、中立性を厳格に守るため、例外のない定年退官制を採用してきた検察幹部の定年延長を内閣ができるようにすれば、「検察官はそのキャリアの一番最後のところで生殺与奪の権を内閣に握られてしまい、検察全体が萎縮し、時には内閣総理大臣経験者まで逮捕したこともあったチェック機能を失ってしまう」「違法なやり方で決めた黒川氏(弘務東京高検検事長)の定年延長を後追い的に合法化し、それが制度化されてしまえば、検察機能そのものが損なわれ、三権分立、法治国家が土台から危うくなります」と強調しました。

 さらに、新型コロナウイルス危機のもと、政府が国民に一致結束を求めながら、不要不急の同法改定を強行するのは“火事場泥棒”的なやり方で、「絶対に許してはいけない」と批判しました。

 立憲民主党の枝野幸男代表は、定年延長のために権力・政権の意向に反することがやりにくくなり、「検察の中立性・公正さが明らかにゆがめられるのは間違いない」と強調。国民民主党の玉木雄一郎代表も「司法大臣が検察官の定年を延長できた戦前の制度をなくし、内閣の影響を排除し、定年延長を不可能にし、今日まで運用されてきた」と指摘。「これまで慎重に扱ってきた検察官の独立性や中立性を大きく損ねてしまう」と批判しました。社会民主党の福島みずほ党首も、「政府によって検察官の定年を延長するなどということは戦後一度もなかった」と、法改定に厳しく反対しました。

 日本維新の会の足立康史衆院議員は、黒川氏の定年延長のためだとの指摘は「陰謀論」だなどと批判。枝野氏は、国家公務員法の下位規定である人事院規則の定年延長条件に当てはまらない黒川氏の勤務延長を法解釈変更で決めたのは「違法」だと指摘しました。

 志位氏は、検察官の65歳退官と、検察幹部は63歳までとするシンプルな当初の政府改定案(昨年10月時点)を大きく変えた理由について説明した政府の文書を示し、「黒川さんについて、国家公務員法を適用し、定年の延長を決めたから、それにともなって法案も変えますよと書いてある。違法な定年延長を『後追い』して、法律を変えてしまおうというのが今度の経緯です」と指摘し、「陰謀論」だとの指摘の誤りを明らかにしました。

 司会の津田大介氏は、ツイッターでの600万件を超える抗議の声の受けとめを質問。志位氏は、コロナ禍で大きな集会ができないもとで、これまで声をあげてこなかった人たちも含めツイッターで“みんなで声をあげよう”という動きが広がり、メディアも大きく扱ったと指摘。「みんなで声をあげれば政治を動かせるということがこの流れのなかで示されています。日本の民主主義の希望を感じます」として、今週にも狙われる衆院通過を許さないというツイートを全国に広げてほしいと呼びかけました。


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