2020年5月10日(日)
新型コロナ対策
愛知県が文化応援金
拡充求め党県委 関係者の声紹介
「政府動かす力になれば…」
新型コロナウイルス対策の自粛要請で苦境に立つ文化芸術分野。愛知県は活動の場が減少した県内のアーティストや文化芸術団体に独自の応援金支給を打ち出しました。関係者は「画期的」と歓迎する一方、すべての当事者に行きわたる制度にと求めています。
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大村秀章知事は1日、「文化芸術は人間の存在、活動にとって不可欠だ。しっかりと目を向けていかなければいけない」と述べ、5億円規模の「愛知県文化芸術活動応援金」の創設を発表しました。
対象は、芸術家や劇団、映画館、美術館、音楽や書道、生花教室などの分野に従事し、売り上げが前年同月比半減以下となった法人と個人事業者。国の「持続化給付金」の受給が要件で、法人に20万円、個人事業者に10万円を支給します。
愛知文化団体連絡会議の石川久事務局長(71)は「金額は少ないが、応援金の制度ができたことは大切だ。全国的に文化芸術を応援していこうという世論につながり、政府を動かす力になればと思う」と話します。
日本共産党愛知県委員会の新型コロナウイルス対策本部には、「条件が厳しい」などの相談が寄せられています。受給要件となっている「持続化給付金」は、売り上げが半減していない事業者は受けられず、申請には証明する確定申告などの書類が必要です。
30年近く演出や脚本、俳優業を行っている女性は、仕事が電話一本でキャンセルになる現状を述べ「今年度あったはずの契約がゼロになった場合、どう証明すればいいのか」と不安を吐露します。劇団の公演や講師などの仕事も11月までキャンセルになっていると話し、芸術家への1回限りではない継続した支援を訴えています。
党対策本部は8日に当事者の声を県に届ける懇談を実施。高橋まきこ事務局長は「せっかくの応援金が、現時点では持続化給付金の対象から外れる人は受けられない。すべての文化芸術関係者が制度を受けられるよう拡充してほしい」と改善を求めました。鷲野恵子前県議が同席しました。