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2020年5月5日(火)

伊 コロナ危機後の社会議論

女性の声反映を

政府の作業部会は男性ばかり

 新型コロナウイルスの感染拡大で甚大な被害を受けたイタリアで、今後の社会や経済の再建をめぐる議論に女性を参加させ、意見を反映させるよう求める声が広がっています。国会議員が連名アピールを出したり、市民団体がオンライン署名を集めたりしています。(島田峰隆)


 イタリアでは4日、感染拡大防止策として停止していた製造業などの経済活動を再開させる首相令が発効しました。政府は今後、状況を見ながら制限解除の範囲を広げていく姿勢です。

 コンテ首相は当面の感染拡大防止策のほか、コロナ危機後の社会や経済の再建について議論するためにいくつかの作業部会を立ち上げています。しかし構成員のほとんどは男性です。中には全員が男性という作業部会もあります。

 超党派の女性上院議員16人は3日、「ジェンダー平等」を実践し、作業部会に女性の声を反映させるよう求める首相宛てのアピールを発表しました。

 アピールは「将来の世代に受け渡す社会の土台が女性の貢献抜きにつくられるなどということはあってはならない」と強調。「持続可能な開発の新しいモデル」を目指す女性を作業部会の構成員に加え、コロナ危機を「国の再生と刷新の機会」にするよう訴えました。

 2日には全国の女性らが「私たちに発言権を」と書いたマスクをそれぞれ身に着けた写真を一斉にフェイスブックやツイッターなどSNSに投稿しました。男性ばかりの作業部会に抗議して最近発足した市民団体が呼び掛けました。同団体はオンライン署名にも取り組んでいます。

 署名は、コロナ危機により失業や家庭内暴力など女性が被害を受けているのに「公共の意思決定に女性は適切に参加できていない」と批判しています。

 コロナ危機を克服して国を再建するには「科学、医療、経済、文化、持続可能性について新しい視点」が必要だとし、「あらゆる決定レベルで女性の声が聞き取られ、考慮されなければならない」と指摘。女性が数世紀にわたり犠牲を払いながら自らを解放してきたことに触れ、「国の将来を決める政治や経済の会議に女性が多数参加することは、すべての人の利益になる」と強調しています。


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