2020年5月4日(月)
手作りマスク
綿と絹の組み合わせで効果アップ
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新型コロナウイルスが流行し、世界的にマスク不足が続く中、マスクを手作りする動きが広がっています。米シカゴ大学などの研究グループは、綿の布と絹などの布を組み合わせることで、感染者が咳(せき)やくしゃみで排出したウイルスを含むエアロゾル(空気中を浮遊する微粒子)を効率的にろ過、捕集できることがわかったと、米化学会誌『ACSナノ』(4月24日付)に発表しました。
感染者が咳やくしゃみで排出したエアロゾルは、水分の蒸発によって数百メートルも飛ぶことがあり、エアロゾル中のウイルスは最大3時間程度生きていることが、これまでの研究で示されています。
研究グループは、直径が10~6000ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)のエアロゾルを人工的につくりだし、どのような材料が、エアロゾルの透過を防ぐのに適しているか調べました。その結果、目の細かい綿の布と、絹やポリエステルの布の組み合わせが、エアロゾルを効率的にろ過、捕集できることがわかりました。
直径が300ナノメートル以下のエアロゾルでは80%以上、300ナノメートル以上のエアロゾルでは90%以上、透過を防いだといいます。
研究グループは、目の細かい綿の布で多くのエアロゾルをろ過し、透過したエアロゾルも絹やポリエステルの布が静電気によって捕集するためと考えています。
ただ、研究グループの実験では、綿の布と、絹やポリエステルの布の組み合わせでつくったマスクでも、隙間が開いていれば効果は半減以下に下がるとしています。