2020年5月2日(土)
第91回メーデー 志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が1日に動画で行った第91回メーデーへのあいさつは次の通りです。(動画)
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全国の働く仲間のみなさん。こんにちは。
冒頭に、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々への心からの哀悼とともに、闘病中の方々へのお見舞いを申し上げます。医療従事者をはじめ社会インフラを支えて献身的に頑張っておられるすべての働く仲間のみなさんに、心からの感謝のメッセージを送ります。
戦後最悪の感染症の収束へ――思想・信条の違いを超えた連帯を
新型コロナ危機のもとで、インターネットを通じて、さまざまな形でメーデーに参加されている全国の働く仲間のみなさんに、私は、日本共産党を代表して、心からの連帯のあいさつを送ります。
いま私たちは、戦後最悪の深刻な感染症――パンデミック(世界的大流行)とのたたかいの最中にあります。私は、新型コロナから命と暮らしを守り、一刻も早く、日本でも世界でもこの疫病を収束させるために、思想・信条の違いを超えた連帯を発展させることを心からよびかけます。
医療崩壊を止めるために――大量検査、医療機関に対する財政的補償を
みなさん。医療崩壊を止め、人びとの命を救うことは、急務中の急務です。
その大きなカギの一つは、PCR検査の体制を抜本的に改善・強化し、必要な人が速やかに検査を受けられる体制に大きく切り替えることにあります。
政府は、これまで検査を絞る方針をとってきました。その結果、市中感染が広がり、病院の院内感染が起こり、医療崩壊が始まっています。
全国でPCR検査センターをつくり、「大量検査、隔離と保護」という感染症対策の大原則にたった政策を強力に推進せよ――この声をあげていこうではありませんか。
もう一つのカギは、医療機関に対する思い切った財政的補償です。コロナ患者を受け入れて献身的に頑張る病院ほど、大きな財政的な負担を強いられ、「この夏には資金がショート(不足)する」などの訴えが全国から寄せられています。病院がつぶれてしまえば、文字通りの医療崩壊になります。
政府は、責任をもって医療機関に対する財政的補償を行え――このことを強く求めていこうではありませんか。
自粛は補償とセットで――コロナから暮らしと営業を守り抜こう
みなさん。新型コロナから暮らしと営業を守り抜くことも、切実な大問題です。
感染拡大防止のために外出自粛や休業要請を行うことは必要なことですが、それは「補償とセット」でなければなりません。
雇用調整助成金を「コロナ特例」に抜本的にあらため、迅速に助成金を支給し、イギリス並みに、労働者も、個人事業主も、フリーランスも、賃金・収入の8割、上限月額30万円を補償させようではありませんか。倒産の危機にある中小企業や小規模事業者に対して、家賃など固定費を補償させようではありませんか。
文化・芸術・スポーツは、人間が生きていくうえで「酸素」のように必要不可欠なものです。イベント関係で働く人びとへの補償をかちとろうではありませんか。
この危機のもと、派遣切りなど、非正規で働く人びとを切り捨てる動きが始まっています。止めなければなりません。大企業に対して、内部留保も活用して、雇用を守る社会的責任を果たさせようではありませんか。
全国の働く仲間のみなさん。思想・信条の違いを超え、感染爆発と医療崩壊を止め、命と暮らしを守り抜くために、ともに力をあわせようではありませんか。
新型コロナを克服した先には、よりよい未来をつくろう
みなさん。新型コロナ危機は、世界でも日本でも、「こんな社会でいいのか」を問うものになっています。
資本主義の中でも、最も貪欲な「新自由主義」――すべてを市場原理にゆだね、資本のもうけを最大にする政策が、大破綻に陥っています。EU(欧州連合)によって緊縮財政を強いられ、医療を削ってきたイタリアやスペインの悲劇に、それは示されています。日本でも、医療費を削減し、急性期のベッドを減らし、保健所を減らしてきた政治を続けていいのかが、いま痛切に問われているのではないでしょうか。
ウイルスによる災厄は、富めるものと、貧しいものに、平等に襲いかかっているのではありません。パンデミックのもと、日本でも世界でも、貧困と格差の問題がより深刻な形で浮き彫りになっているのではないでしょうか。
さらには、この半世紀の世界的な感染症の多発は、無秩序な生態系の破壊、自然環境の破壊と深く結びついています。それは地球的規模での気候変動とも同じ根をもつものです。利潤第一主義で、自然環境を破壊する動きを続けていいのか。このことも深く問われているのではないでしょうか。
私は、訴えたい。新型コロナを克服した、その先には、よりよい未来をつくろうではありませんか。社会保障を大切にし、人間らしく働けるルールをつくり、環境破壊を抑え、すべての人びとが人間らしく生きることのできる社会を、ご一緒に力を合わせてつくろうではありませんか。
第91回メーデー万歳! ともにがんばりましょう!