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2020年4月26日(日)

独・コロナ対策 国の補助受給

配当計画 大企業に批判

 ドイツで、新型コロナウイルスに対する経済対策で政府から補助金を受けている大企業が、株主への配当支払いを計画していることに批判が出ています。ドイツの海外向け公共放送ドイチェ・ウェレ(DW)がこのほど報じました。

 ドイツ政府はコロナ不況の中で雇用を維持するため、労働者が一時帰休や時短となった際、労働者の賃金の60%(子どもがいる場合は67%)を「操業短縮手当」として企業に支給しています。

 総額240億ユーロ(約2兆7800億円)の同手当を受け取った大企業には、大手自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)やBMW、ダイムラー、化学大手のBASFなどがあります。

 ところが、VWは8万人の操業短縮手当を受け取る一方、次期年次株主総会(5月7日予定を無期延期)で33億ユーロの配当をおこなう計画です。BMWは2万人を短時間労働としていますが、「投資先としての魅力を維持するため」に配当を継続する意向。BASFも30億ユーロを配当する計画です。

 経済紙ハンデルスブラットによると、ドイツの上場企業160社の75%が配当を行う計画で、その多くが操業短縮手当を受け取っています。こうした企業は、配当は昨年の利益に基づくもので正当だと主張しています。

 ダブリン大学企業統治センターのニアム・ブレナン学術部長はDWに「道義的に大いに問題だ」と指摘。連立与党・社会民主党のカーステン・シュナイダー連邦議員団長も「国の援助に頼っている企業が利益を株主に分配するなどありえない。資本主義の醜い顔だ」と述べました。

 一方、ルフトハンザ航空やスポーツ用品のプーマは、すでに配当の停止を決定しています。

 (伊藤寿庸)


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