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2020年4月26日(日)

バイト代 月7万円減

待ち構える学費 親にも頼れず

支援求めて始めた署名に賛同広がる

金沢の学生

 アルバイトや奨学金で学費や生活費をまかなっていた学生が新型コロナウイルスの影響で仕事が減り、先が見通せなくなっています。国や各大学に支援を求めるとりくみも始まっています。(染矢ゆう子)


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(写真)休業する金沢駅前の商業施設=23日、金沢市内(沢村さん撮影)

 金沢市の金沢大学に通う沢村良太さん(3年生、仮名)。これまで週に2、3日、居酒屋で午後4時から午前1~2時まで10時間ほどアルバイトをし、月10万円稼いでいました。

 4月から徐々にバイトに入る時間が遅くなり、終了時間は1時間ずつ早くなりました。現在は1日2、3時間の勤務に。石川県では21日から休業要請が始まり、午後8時までの営業になりました。バイト収入は月3万円ほどに減る予定です。

 昨年の台風災害で地元が被災し、その影響で両親には頼れません。仕送りはなく、逆に実家に仕送りをしています。授業料の半額免除とアルバイト、奨学金で家賃と生活費、授業料をまかなってきました。

 追い打ちのように、4月から修学支援新制度が始まり、授業料は半額免除から3分の1免除だけになりました。月に5万1000円借りられた無利子奨学金は一部給付制になったものの、給付制と無利子奨学金を合わせて3万6000円に減り、4万2000円の家賃に足りません。大学独自の授業料免除を継続するよう申し込み、納入を猶予されていますが、9、10月に27万~35万円の学費の支払いが待ち構えます。

 携帯電話代などの固定費があり、貯金ではとても払いきれないと沢村さんはいいます。「9月には教育実習があります。この期間にアルバイトはできません。秋には生活できなくなる」

 高等教育無償化プロジェクトFREEの調査では、保護者の39・7%が収入が減ったりゼロになったりしました。アルバイト収入が減ったりゼロになったりした学生は60・4%に上ります。退学を考えた学生は13人に1人いました。

 FREEに共感し、金沢で設立をめざしていた沢村さん。21日から金沢大に対して全学生対象の支援拡充を求めるネット署名を始め、現在70人に賛同が広がっています。

 「週30時間アルバイトをしなければ大学で学べなかったこと自体おかしかったのだと思います。大学に余裕があるわけではないので、政府の責任で各大学が学費を値下げできるようにするなど学生に継続的な支援を行うよう求めていきたい」


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