2020年4月24日(金)
DV被害者 避難先も可能
10万円給付の受け取り
総務省が運用方針
総務省は22日、新型コロナの感染拡大に伴う1人10万円の一律給付について、DV被害者が加害者と別の住所に避難している場合でも、避難先の自治体から給付金を受け取れるようにする内容の運用方針を定めました。DV被害者は加害者に居場所を知られることなく給付金を受け取ることができるようになります。被害者や支援団体らの要望が届いたものです。
給付金は、住民基本台帳に記録されている住所に申請書が郵送され、世帯主が家族分を一括して申請することで口座に振り込まれます。住民票を移さずに加害者から避難しているDV被害者は、住所が明らかになるのを恐れて給付金が受け取れないという懸念がありました。
DV被害者は居住している市区町村の窓口で申出書を提出します。期間は今月24~30日ですが期間を過ぎても申請できます。対象は▽裁判所から配偶者暴力防止法に基づく保護命令を受けている▽婦人相談所から「配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書」が発行されている―などです。
申請を受けた自治体は都道府県を通じ、住民票のある自治体に申請者の居住地が伝わらないようにした上で通知。通知を受けた自治体はDV被害者の分の支給を停止し、世帯主が申請できないようにします。被害者は世帯主でなくても避難先の自治体から給付金を受け取ることができます。
誰ひとり取り残すな
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日本共産党のジェンダー平等委員会責任者・倉林明子参院議員 DV被害者に給付金を届ける上で今回の方針は一歩前進です。ただ、申し出がなければ給付できないため被害者に漏れなく制度の情報を周知するよう目配りすることが重要です。避難先の自治体と被害者がつながっていない場合もあり、注意が必要です。世帯主が申請する現行の方式では、逃げたいけど逃げられない被害者には給付金が届かないという課題もあります。DV被害者を誰ひとり取り残さない取り組みが必要です。