2020年4月3日(金)
休校は他の自粛と一体に
文科省が考え方改定版発表
新型コロナウイルス感染症対策に関する政府の専門家会議が1日に新たな「状況分析・提言」を発表したことを受け、文部科学省は同日、臨時休校の考え方を整理したガイドラインの改定版を都道府県教育委員会などに出しました。「感染拡大警戒地域」で一律休校とする場合には、他の社会・経済活動の自粛と一体で行うよう求めています。
専門家会議は、子どもについて「感染拡大の役割をほとんど果たしてはいない」としつつ、爆発的患者急増(オーバーシュート)には至っていないものの感染者が増加基調の感染拡大警戒地域では一律休校も「選択肢として検討すべき」だとしています。
文科省が示した臨時休校の第一のケースは、子どもや教職員に感染が判明した場合です。休校の必要性を都道府県の衛生部局と十分相談し、休校実施の有無、実施する場合の規模や期間を判断するよう要請。感染者が出たことや感染者数だけで判断せず、校内感染の有無や拡大の可能性を考慮するよう求めています。学校外での感染が明らかで校内感染の恐れが低ければ「実施する必要性は低い」としています。
臨時休校の第二のケースは、感染拡大警戒地域に指定された場合です。指定されただけでただちに臨時休校とするのではなく、衛生部局と相談のうえ、学校運営の工夫で対処する場合と、臨時休校に踏み切る場合とを想定。学校運営の工夫として、公共交通機関を利用している場合の時差通学・出勤を例示しています。
同省は、感染拡大警戒地域の指定に伴い一律休校を実施しても、社会・経済活動が変わらなければ感染拡大防止に十分な効果は出ないとし、地域全体の活動自粛の一環として行うよう求めています。また、子どもの学習指導や健康観察の観点から登校日を設けること、配慮を必要とする子どもについての登校などを提案しています。