2020年3月28日(土)
感染拡大でも病床削減
地域医療構想 田村氏が撤回迫る
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日本共産党の田村智子副委員長は27日の参院予算委員会で、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に備え、医療体制の整備費用を国が負担するよう求め、感染拡大のさなかでも病床を削減する地域医療構想の推進を自治体に指示する政府に対し、同構想の撤回を迫りました。
厚生労働省の宮崎雅則健康局長は、6日付の通知で示したピーク時の患者数の計算式によれば、東京都では1日当たりの重症者が約680人、入院患者は約2万人に上ると明らかにしました。
田村氏は「都内の一般病床の4分の1が対応を想定しているということだ。新型コロナ感染患者に対応するには、専用フロアや専属医師・看護師が必要だ。国が整備のための必要経費を負担するべきだ」と迫りました。
加藤勝信厚労相は「医療機関から聞いた話を踏まえ、どう対応すべきか検討している」と述べるだけでした。
田村氏は、地域医療構想では、感染症患者を率先して受け入れる高度急性期や急性期の病床を5年後までに約20万床減らすよう求めていると指摘。病床整備が切迫して求められているのに「4日付の通知では“構想を具体化できるところはしてほしい”とわざわざ指示している」と批判しました。
その上で、「構想は『財政再建のための医療費抑制』の話から始まっている。イタリアなど新型コロナによる死者が多い国・地域では緊縮財政で医療体制が弱体化していたとの指摘がある。非常時に救える命を救えない医療体制にするわけにはいかない」と強調。「構想を見直すべきだ。せめて新型コロナが完全に収束するまで停止するべきだ」と主張しました。
加藤厚労相は「並行して将来に向けた対策も考えるのは当然だ」と拒否しました。