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2020年3月21日(土)

新型コロナ “人類危機 連帯を”

国連総長、弱者支援を訴え

 国連のグテレス事務総長は19日、新型コロナウイルスの感染拡大について、世界は「共通の敵に直面している」との認識を示し、「連帯が必要な人類の危機」だと訴えました。その上で、世界の指導者が共同し、緊急の協調した対応を示すよう呼びかけました。国連本部で行ったビデオ会議システムによる記者会見で表明しました。


 グテレス氏は「おそらく記録的規模となる世界的な景気後退はほぼ確実だ」と指摘。「現在の国レベルの対策では、地球規模かつ複雑な危機に対応できない」と述べ、国際社会の協力を訴えました。

 また、感染拡大を抑えるために、検査の拡大、施設の増強、医療従事者への支援など「緊急の必要性を満たすため医療分野の支出を今すぐ拡大しなければならない」と勧告。「山火事のようにウイルス拡大を放置すれば、とくに世界で最も脆弱(ぜいじゃく)な地域においては、数百万人が死ぬだろう」と警告を発しました。

 グテレス氏は、今回の危機が社会全体に打撃を与えることから、「低賃金労働者、中小企業、社会的弱者に焦点を当てなければならない」と発言。低賃金労働者への支援や倒産・失業を阻止することの重要性に触れ、多くの国が実施しようとしている現金給付などを例に「資金を人々の手に直接届ける必要がある」「必要なのは連帯と希望、政治的意思だ」と力説しました。

 豊かな国も国内での対応に追われているもとで、途上国への支援の現実性に疑問を呈した記者の質問に対して、グテレス氏は「豊かな国は自国民にだけ対処する必要があると信じ込んではいけない。危機はいつでも、どこからでも訪れる可能性があるし、国際的な対策への貢献は豊かな国にとっても国益になる」「今こそ連帯の時だ」と強調しました。


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