2020年3月20日(金)
検事長勤務延長「必要ない」
法務省 昨年10月まで認識
山添氏に答弁
|
黒川弘務東京高検検事長の勤務延長問題をめぐり、法務省は18日の参院法務委員会で、日本共産党の山添拓議員の質問に対し、同省が昨年10月まで「63歳を超えても検事長を続けさせる特例は必要ない」という見解を示していたことを明らかにしました。
山添氏は、16日の参院予算委員会理事会に法務省が提出した検察庁法改定案の審査過程資料に「検察官は職制上の段階がなく柔軟な人事運用が可能であり、公務の運営に著しい支障が生じるなどの問題が生じるとは考えがたく、特例は必要ない」という記述があることを指摘。「勤務延長制度がなくても公務に支障はないとする見解が、なぜ百八十度変わったのか」とただしました。
これに対し、法務省の川原隆司刑事局長は「(昨年)10月までは従前の解釈を前提としていた」と認めつつ、「改めて見直し、検討を重ねる中で変更した」と答弁しました。
山添氏は、森雅子法相が国会答弁で「交通事情の進歩、インターネットの普及などの社会経済情勢の変化」に繰り返し言及しているが「これらがなぜ勤務延長の理由となるのか」と追及。森法相は「81年の法改正当時とくらべて検察官をとりまく状況が変化した」としか答えられませんでした。
法務省は解釈変更理由についても、黒川検事長の勤務延長理由についても説明することができず、山添議員は「閣議決定を撤回すべきだ」と厳しく迫りました。