2020年3月18日(水)
沖縄・宮古島 弾薬庫「最も危険」
陸自 「建設せず」と欺き設置
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陸上自衛隊が沖縄県宮古島市に「弾薬庫は建設しない」と住民をだましてミサイル部隊の駐屯地内に設置した弾薬庫は、自衛隊が「火災時の危険度が最も高い」と分類していることが分かりました。
問題の弾薬庫は陸自が千代田地区の民間ゴルフ場跡地の用地を買収して建設した宮古島駐屯地に設置しているもの。
陸上幕僚長が定めた「火薬類の取り扱いに関する達」には、弾薬庫で火災が起きた場合の危険度を示す「火災標識」を設置するよう義務づけています。
標識は、貯蔵する火薬類の種類によって4区分されています。標識が示す火災時の危険度は第1群が最も高く、以下第2群、第3群、第4群と減少するとなっています。
本紙が確認したところ、宮古島駐屯地の弾薬庫には第1群、第2群が表示されていました。
陸幕長の「達」では別紙に、火災標識に該当する弾薬の種類や火災時の危険度、消火方法を明示しています。
第1群に貯蔵されるのは「りゅう弾等」とあります。対戦車りゅう弾、迫撃砲りゅう弾、誘導弾(ミサイル)、攻撃手りゅう弾、対人地雷など十数種類を列挙。火災時の危険度は「大爆発性」で、「瞬時に爆発し、爆風と破片を伴う」としています。
消火要領では「火が実際に弾薬に届いていない」「爆発が完全に終わり、残火の処置について消防隊長の命がある場合」以外には「消火にかかってはならない」と厳命。留意事項として、「爆薬等が爆発している場合には600メートル以内には近づいてはならない」としています。
第2群は「小爆発性―破片生成」。消火要領は「第1群と同じ」です。
日本共産党の上里樹市議は「弾薬庫から近接する民家までは、基地のフェンス脇の道路を挟んでわずか75メートルしかない。こんなでたらめな弾薬庫は撤去すべきだ」と、その危険性を指摘します。