2020年3月17日(火)
綱領を力に強く大きな党を
都道府県学習・教育部長会議 志位和夫委員長の発言
「改定綱領学習講座」(14日)の講義終了後、短時間行った都道府県学習・教育部長会議での志位和夫委員長の発言を紹介します。
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講義はかなり長い時間となりました。本当にお疲れさまでした。ぜひ改定綱領を力にして大きな党をつくりたいと思います。
第28回党大会では党建設について第二決議という形で、独立した決議にいたしました。党建設を独立の決議にしたのは党の歴史でも初めてであります。そうしたのは、いま党建設という面からみて、大きな歴史的チャンスの情勢であるとともに、党の現状は、まさにいまわれわれが力をこめてこの状態を何としても突破しなければならない危機的な状況にある――このチャンスと危機の両面から、この大会期を必ずや強く大きな党をつくる、そういう強い思いから第二決議をつくりました。
党大会後、第二決議の全面実践にむけて、党中央としてどういう姿勢でとりくんできたか
この第二決議は、文字通り、今後を展望して、党の命運がかかった決議といわなければなりません。党大会後、党中央として、第二決議の実践にどういう姿勢でとりくんでいるかについて、お話ししたいと思います。
わが党の党勢は、1980年ごろをピークにして、40年来の後退が続いてきました。「共産党を除く」の「壁」が崩れたいま、党建設を前進に転じる歴史的チャンスが間違いなく目の前に広がっている。このチャンスを生かして必ず前進に転じようという大事業にチャレンジしているわけですが、やはり後退が続いてきたことからくる、いろいろな惰性が、われわれの活動のなかにある。はっきりいいますと、いろいろな点で“後退慣れ”してしまっているという問題点がある。いろいろな弱点があっても直視しきれないという問題点が、われわれのなかにある。われわれというのは党中央のなかにあるということです。ですからそこは、中央から率直な自己検討を各分野でやりながら、全党のみなさんと力をあわせて現状を打開していこうと、こういう姿勢でとりくみをすすめてきました。
2月の機関紙部長会議――「減っても仕方ない」論の惰性を吹っ切る
2月中旬に、都道府県機関紙部長会議を行いました。この機関紙部長会議で、「ぜひ2月から読者拡大で前進しよう」ということを訴えたわけでありますが、そのなかで中央にあった姿勢として、いろいろな条件が難しいときは、後退しても仕方がない――この「仕方がない」論がかなりあったということを自己分析しました。田中悠機関紙活動局長の報告でそのことを率直にのべていますが、これは担当部門の問題だけでなく、われわれのなかにもあった弱点でした。
「大会のあとは減っても仕方がない」「大運動のあとは減っても仕方がない」「選挙のあとは減っても仕方がない」。こういう「仕方がない」論が、いろいろな場面で頭をもたげてくる。これが中央のなかにもあった。それでは党創立100周年までに3割増は決してできない。ここは、どんなことがあっても、読者拡大で毎月、毎月前進する党になろうと、そのためにも中央のなかにあった「仕方がない」論を吹っ切る、一掃する。全党の中にもあるこうした惰性を吹っ切って前にすすもうということを話し合いました。
この2月の機関紙部長会議での提起を、全国のみなさんがうけとめていただいて、2月は、日刊紙でほぼ現状を維持し、電子版は増やし、日曜版では増勢になるという、わずか半月の奮闘だったのですけれども、前進の流れをつくることができました。これを3月も必ず続け、4月も続け、毎月、毎月、続けていきたい。どんな条件のもとでも、必ず増やし続けて、はじめて3割増というのは実現します。増やしたけれど、それ以上に減らす。「減っても仕方がない」という立場に立っていたら、3割増は、絶対に実現できません。そこを吹っ切ってやっていこう。しかもそれを「支部が主役」の法則的な道を探求しながらやっていこうということを確認したのが、2月の機関紙部長会議でした。この姿勢で引き続き読者の問題にとりくんでいきたいと思います。
3月の組織部長会議――「党員現勢で毎月前進する党をつくろう」
続いて、3月はじめに、全国組織部長会議を持ちました。若林義春党建設委員会責任者代理が報告しました。この会議では、いろいろな問題を議論しましたが、一つの目標として、党員拡大で、「現勢で毎月前進する党をつくろう」ということを訴えました。これも中央の率直な自己分析をふまえたものでした。
党員拡大のとりくみで、党員を増やしても、亡くなる方がどうしてもおられる。できるだけ少なくしたいですが離党する方もいます。そういうことで一定増えても、現勢ではどんどん後退する。数えてみたら、現勢では1年4カ月も連続して後退してきた。それでは、このことをきちんと直視していたかというと、直視していたとはいえない。こういう弱点が中央からありました。
私自身のなかにもあったと率直に話しました。今年1月の新春「党旗びらき」で、「大運動」で何人の党員が新たに増えたかは報告しました。しかし残念ながら亡くなった方、離党した方もいて、現勢では後退していました。ところが、この事実を率直にお伝えしていませんでした。これはよくない。現勢がどうなっているか。それを自覚的に直視し、打開の方策を具体的に提起し、現勢で前進して初めて党員拡大が進むわけです。
現勢で前進しようと思ったら、党員拡大のあり方も規約通りにしなくてはなりません。綱領と規約を読んでもらって、その中身を語って入党していただく。それから入党した後も、「楽しく元気の出る支部会議」をしっかりやって、みんなで成長できるように支部づくりをやる。新入党員教育もしっかりやる。党費納入を毎月、毎月、自覚的に増やしていく。日刊紙を必ず購読してもらう。それらを全部セットでやって、そういう法則的なとりくみをやって、それと一体に拡大の独自追求を行う。そうやってこそはじめて現勢で増えていきます。「現勢で毎月前進しよう」という呼びかけは、どういう党をつくるかということと一体の問題なのです。
そういうことも含めて、意思統一をしました。そのときも、われわれのなかにあった弱点への反省も込めて、そういう訴えをして、今、党員拡大でもとりくみが始まっているところだと思います。何としても、この3月から、党員も読者も増やしていきたいと決意しているところです。
青年・学生部長会議――大学の党・民青の現状をリアルに踏まえた目標をたてる
さらに、青年・学生部長会議を昨日やりまして、吉良よし子青年・学生委員会責任者が報告しました。この会議でも中央の自己分析をやりました。ここで現れていた問題がどういうことかと言いますと、学生党組織の今の実態を、全国的にこうなっていると、支部をもっているところがここまでで、支部全体がなくなっているところがこれだけあるというようなリアルな実態をお伝えして、支部を一つ一つ大学のなかにつくっていく、民青の班を一つ一つ大学のなかにつくっていく。それをやってこそ、倍加ができるわけですが、そういう提起をやってきたかと言うと、やっていない。それではせっかくのチャンスを生かせないということで、そういう率直な自己分析をふまえた提起を、昨日、吉良責任者がやりました。
さらに私も発言しまして、この分野のとりくみは、文字通り党の未来がかかった死活的な重要性をもつにもかかわらず、担当部まかせ、担当者まかせから、なかなか脱していない。中央にもそういう弱点がある。地方にもあると思う。これでは若者のなかに、新たな条件が広がっていても、それを物にすることはできない。文字通り、「党をあげてのとりくみ」にしていく必要がある。中央もそういう姿勢で頑張りたいので、ぜひ全国の青年・学生部長のみなさんも、この問題で、機関の長自身が先頭に立っていただき、機関全体のとりくみになるよう力をつくしてほしいと訴えました。
これも、たいへん積極的に受けとめていただけたのではないかと思うのですが、青年・学生部長のみなさん、いかがでしょうか。(拍手)
中央としても、一つ一つの会議で、われわれ自身のなかにあった弱点、惰性を直視し、そのことを率直に話し、全国のみなさんと一緒に現状を打開していく。そういう精神を貫いていくつもりです。全国のみなさんと心一つに、そういう精神で第二決議の全面実践を、必ずやりとげたいと思うんです。
深い理論的確信に裏打ちされた共産党らしい強い党をつくろう
今度の第二決議ばかりは、絶対に実践しなくてはいけない。やり遂げなくてはいけない。党創立100周年までに党員でも読者でも3割増をやりぬこうじゃないですか。3割増をやるだけではなくて、質的にも、本当に、綱領路線と科学的社会主義に対する深い確信に裏打ちされた党をつくろうではありませんか。共産党らしい党をつくろうじゃないですか。そういう党にぜひしていきたい。このことを訴えたいのであります。
改定綱領と大会決定を文字通りすべての党員に届け、読了してもらおう
その点で、学習・教育部長のみなさんに率直に申しますと、党大会決定の文書の届けが68・3%です。2019年ののべ党費納入は77・8%でした。党費納入党員の数までもいっていないわけです。ですから最後の一人まで文書を届ける努力が必要です。これまで実態があいまいだった同志も含めて、一人ひとり届けていくことが党組織の最大の点検になるわけです。これを100%をめざしてとりくんでいきたい。
現在、改定綱領の読了党員が24・9%、8中総の綱領問題の報告・結語の読了が35・6%、党大会での綱領問題の報告・結語の読了が22・3%、党大会の第一決議が23・0%、第二決議が22・6%、こういう状況です。
党大会決定の徹底という点で、1970年の第11回党大会では8割近くの党員が読みました。とにかく一刻を争って読んだ。今度の党大会決定は長いといいます。たしかに最近では長い。綱領一部改定の関連文献が入っていますから。しかし、かつての11回大会とか12回大会とかを見てください。比較にならないほど長いですよ。それをみんな読んだわけですね。
私たちを結びつけている最大の絆は綱領
「あの時はみんな若かったから」という人もいるかもしれない。もちろん世代的継承に全力をあげていく必要がある。同時に、世代的継承の仕事をやるのも、われわれの仕事なのです。これまで頑張ってこられた同志のみなさんなのです。若い人を党に結集する力をつけるためにも学ばなければなりません。たしかに過去とは条件が違うかもしれない。しかし、人間は何歳になっても成長する。進歩するんです。共産党員はそうでなくちゃいけません。何よりも、長年の人生を頑張り抜いてこられた同志は、若い世代にはない経験と知恵を蓄積している。学べないなどということはありえません。
そういう点で、この間の党大会決定の読了が3割台、よくても4割台。これを、突破しなくちゃいけない。大会決定の徹底は、3~4割台でしょうがない。こういう水準で甘んじていたら3割増はできません。理論に強い党をつくらねば決して大きな党をつくることはできません。ですから党大会決定の徹底についても、中央としても、これまでのあり方を、弱点にはメスを入れながら努力したいと思います。こういう学習会をやるのは中央の責任ですから、どんどんやっていきたいと思っております。
やはり、党をつくるのは、綱領で党をつくらなければダメです。綱領の科学的確信で結ばれている党をつくらなければならない。私たちを結びつけている最大の絆は綱領なのです。日本共産党は、なにかの利害で結ばれているわけではない。立身出世ができるわけではない。義理人情でもない。もちろん温かい同志的連帯は必要ですが。綱領への理論的確信でみんなが結束している。そして、社会進歩のために自分の人生を生きようという本当に素晴らしい人びとが集っている。その集っている中心が綱領なのです。この綱領を本当にみんなの血肉にして、理論的確信をあふれるようにみんなのものにしてこそ、本当に強い党がつくれる。
改定綱領学習講座――1週間ぐらいで多くの同志に見てもらおう
今日の講義を、かなりの方がリアルタイムで視聴していただいたようです。ただ、新型コロナ対策を考えますと、今日一日で、狭い1カ所にたくさんの方々を集めますと問題が起きます。ですから、そうならないようにということで、分散して見ようということにいたしました。お宅で見ることも重視していただきたい。それから、今日一日で見なくても結構ですということにしました。選挙の最中の全国いっせい決起集会などとは違いますから、今日中に見なくても結構です。でも、せっかくの機会ですから、1週間くらいで、今日の学習会を多くの同志に視聴していただきたいと思います。
今日の学習会は、最後の方は、古典の引用もあり、1回聞いただけでは難しいところもあると思うのですが、あのくらいのことも学んでいこうと、そういう党にならないといけないと思いまして、いろいろとお話ししました。わが党の綱領の基礎には科学的社会主義の理論の基礎があるのです。それをお伝えするのもわれわれの責任だと思いまして、少し立ち入ったことも話したんですが、そういうことも含めて、みんなの確信になって初めて強い党がつくれると思うんです。
党創立100周年にむけ、毎月、毎月、強く大きな党をつくる努力を
ですからぜひ、学習・教育部長のみなさんが、この面でも党の中にあった惰性を吹っ切っていただきたい。われわれも努力します。だいたい、党の決定の読了は3割~4割、綱領も4割台しか読んでいない。これでどうして革命ができるかという問題ですよね。ですから、ここをいかにして吹っ切るかということに心血注いでいただきたい。われわれも頑張ります。
改定綱領と党大会決定を力に、この間、いろいろな分野で前進が始まっているのはうれしいことです。読者の拡大、党員の拡大、決定の読了と学習、青年・学生への働きかけ、この間、ずいぶん努力が始まっております。来たるべき総選挙での勝利にむけ、そして党創立100周年にむけ、この努力を、3月に実らせ、4月に実らせ、5月に実らせ、毎月、毎月、実らせていくというとりくみを、ぜひ一体になってやろうじゃないかということを最後にお訴えしたいと思います。(拍手)