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2020年3月12日(木)

新型インフル特措法改定案

塩川議員の反対討論(要旨)

衆院内閣委

 11日の衆院内閣委員会で、日本共産党の塩川鉄也議員がおこなった新型インフルエンザ特措法改定案に対する反対討論(要旨)は以下の通りです。


 本案は新型コロナウイルスを新型インフル特措法の対象に追加するものです。特措法の最大の問題点は、「外出の自粛要請」や「学校・社会福祉施設、興行場等に対し使用等の制限・停止の要請」さらには「指示」、土地所有者の同意なしに臨時医療施設開設のための土地使用も可能となる私権制限が行えるようになることです。

 これらは、憲法に保障された基本的人権を制約するものであり、経済活動にも大きな影響をもたらします。

 都道府県知事がこれらの私権制限の「要請」「指示」を行う出発点が、政府対策本部の本部長である首相による「緊急事態宣言」です。

 同「宣言」を発動する要件は不明確です。政府は「重篤である症例の発生頻度が相当程度高い」「全国的かつ急速なまん延」をあげていますが、「重篤」「まん延」の基準や誰が判断するかが曖昧です。

 政府行動計画や基本的対処方針を定める際には、「あらかじめ、専門家の意見を聞かなければならない」としながら、私権制限を伴う「宣言」決定には、専門家の意見聴取を義務づけていません。

 「外出の自粛」は、どこの地域で、いつまでなのか、各種施設の「使用制限」はどのような施設が対象で、いつまでなのかといった歯止めがなく、必要以上の私権制限の懸念がぬぐえません。

 制限がもたらす人権侵害に対する救済措置も経済的措置に対する補償もありません。

 「宣言」下では、「指定公共機関」のNHKも、首相から「必要な指示」を受けることとなっており、NHKの自主性・独立性を確保できず、国民の知る権利を脅かしかねません。

 特措法は、「宣言」前でも、都道府県知事に、「公私の団体・個人に対し、必要な協力の要請」を可能とする権限を与えています。この「要請」は、うがい手洗いの奨励にとどまらず、外出の抑制や大規模イベントの開催検討なども否定しておらず、歯止めがかかっていません。

 特措法は、市民の自由と人権の幅広い制限をもたらし、その歯止めが極めて曖昧なもので、問題があります。

 わずか3時間での採決など許されません。

 安倍首相が突如打ち出した一律休校は、専門家の意見も聞かず、首相が独断で決定したことに、国民は強い不安を抱いています。本案によって、安倍政権に緊急事態宣言の発動を可能とすることは認められません。


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