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2020年3月12日(木)

「震災で検察官逃げた」

衆参委員会 森法相の暴言で紛糾

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(写真)自身の発言について追及を受け、答弁する森雅子法相=11日、参院予算委

 森雅子法相が「東日本大震災のときに検察官は最初に逃げた」などと国会で答弁したことをめぐり、11日の衆院法務委員会と参院予算委員会が審議を中断し、相次いで散会する事態となりました。

 森法相は、9日の参院予算委で東京高検検事長の定年延長問題に関する質疑で、「東日本大震災のとき、検察官は、福島県いわき市から国民が、市民が避難していない中で、最初に逃げた。そのときに身柄拘束をしている十数人の方を理由なく釈放して逃げた」と答弁しました。

 11日午前の衆院法務委で立憲民主党の山尾志桜里議員が事実関係を追及。森法相は発言内容を「事実だ」と繰り返したため、山尾氏が「政府の見解か」とただすと、「個人的見解だ」と発言。このため委員会は紛糾し、休憩のまま散会。野党理事がそろって会見し、山尾氏は「法務省のトップが虚偽の事実に基づいて検察の信頼を貶めるような発言を一度ならず二度している点で法務行政をひっぱっていくことは不可能だ」と述べました。

 その後、森法相は同日午後の参院予算委員会で自民党議員の質問に対して「個人の見解と事前に示すことなく申し上げたことは不適当であり、撤回する」としました。一方、立民の石橋通宏議員の追及に対し、森法相は、「事実だ」との答弁は「9日の参院予算委で答弁したことが事実であると申し上げた」などと強弁しました。

 迷走する森法相の発言をめぐり、与野党の国対委員長が断続的に会談し、自民党側が事実関係の精査に時間がかかるとし、参院予算委員会は審議中断のまま散会しました。

 日本共産党の穀田恵二国対委員長は、「撤回ですむ話ではない。法務行政をつかさどる者が、平気で事実に基づかない発言をし、検察官を貶めたのでは、法相としての資格が疑われる」と批判しました。


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