2020年3月6日(金)
新型インフル特措法「改正」案
志位委員長が会見
国民の不安にこたえた徹底審議が必要
人権制約への歯止めあいまい
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日本共産党の志位和夫委員長は5日、国会内での記者会見で、政府が新型コロナウイルス感染症拡大の「緊急事態」を理由に、立法事由を失った新型インフルエンザ特別措置法「改正」法案の短期間での成立を図ろうとしている事態について問われ、「改正」案が「緊急事態宣言」によって国民の基本的人権の多くを制約する同特措法と同じ内容になることを指摘し、「徹底的な審議が必要です」と主張しました。
志位氏は、政府が現行の同特措法が新型コロナウイルス感染症には適用できないことを新規法案の立法事由にしてきたものの、4日の参院予算委の審議で同法実施要綱の改定などですでに新型コロナウイルスに適用できるようになっている事実が明らかになったとして、「(4日の安倍晋三首相との)党首会談でも政府の立法事由がなくなった以上、提出は断念すべきだと求めました」と改めて強調しました。
さらに、「緊急事態宣言によって、集会、言論、表現、移動の自由といった基本的人権が制約される、経済活動にも大きな影響が出てくる内容になってきます。そうした人権制約への歯止めがあいまいだということで、新型インフル特措法に反対しました。国民のみなさんが不安に思い、懸念を感じている問題について徹底的な審議が必要です」と表明しました。
記者団から、12日にも衆院を通過させるなど拙速な採決日程が与野党間で固まったかのような一部報道について問われた志位氏は、「十分な審議抜きで通してしまうやり方には反対で、賛成できません」と強調。5日の野党国対委員長会談でも、日本共産党の穀田恵二国対委員長が、10日閣議決定、11日委員会採決、12日衆院通過の日程は賛同できないと表明したことを明らかにしました。
その上で、とくに安倍政権のもとでの「緊急事態宣言」による私権の制限には国民に疑念や不安が広範にあると指摘。「たとえば、施設の使用中止の要請・指示ができるようになる。普通に集まって相談をすることもできなくなる恐れがあります。集会の自由への制約になる」と述べ、全体として歯止めが十分担保されていないと指摘しました。