2020年2月19日(水)
被災者の生活 現実厳しい
岩手・宮城 小池氏ら 要望聞く
東日本大震災調査に入っている日本共産党の小池晃書記局長・参院議員、岩渕友参院議員は18日、岩手県陸前高田市、宮城県石巻市、仙台市を訪れ、市長や商工会議所会頭と懇談し要望を聞きました。
岩手・陸前高田
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小池、岩渕両氏は、岩手県議団、陸前高田市議団とともに同市役所を訪れ、戸羽太(ふとし)市長と懇談。市長から要望書を受けました。
小池氏は「陸前高田を毎年訪問しているが、町づくりが一歩一歩前進している。同時に新たな課題もあると思う。大震災で最も深刻な被害を受けた陸前高田の再生が、東北全体の復興のメルクマール(指標)になる。課題をお聞かせください」とあいさつ。収入超過者も災害公営住宅に入れる「みなし特定公共賃貸」制度を同市が導入したことに「住民の実態にそくした施策で、各地に広げたい」と語りました。
戸羽市長は、長期の取り組みが必要な課題の中で「県内の沿岸地区の調査によると、震災を知らない子どもたちでも、心のケアが必要な子が多い」と紹介。公共交通の維持策として赤字補てんなどを行いながらも「国民の最低限の生活を保障する憲法の内容に合わないぐらい現実は厳しい」と訴えました。
また、政府主催の東日本大震災追悼式を2021年までとする政府方針について、戸羽市長は「来年で終了というのは、被災者の心情に合わない。(市内に)国営の『追悼・祈念施設』をつくっているのに、そこで国が一度も式典をしないのか」と述べ、引き続きの開催を要望しました。
小池氏は「要望を全面的に支持する。国会の論戦に全力でのぞみ、要望をしっかり政治に届けていきたい」と述べました。
一行は県営東日本大震災津波伝承館などを視察しました。
「企業の復興終わってない」 宮城・石巻
小池書記局長 市長らと懇談
心のケア・支援継続などの要望
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日本共産党の小池晃書記局長・参院議員、岩渕友参院議員は18日、大門実紀史参院議員、三浦一敏宮城県議、石巻市議団とともに、同市役所で亀山紘市長、石巻商工会議所で青木八州会頭らと懇談しました。
小池氏は市長、会頭との懇談で、「石巻は最大の被災地であり、東北経済にとって重要な都市でもあり、震災からの復興の進展を見るうえで欠かせない」と強調。消費税10%の打撃や、同市の造船会社「ヤマニシ」の会社更生法適用申請などにふれ、「地域経済は漁業不振も相まって深刻です。今後の復興の課題、特に経済面での解決すべき課題、国政への要望をお聞かせ下さい」とあいさつしました。
亀山市長は、住宅再建は進んでいるが、被災者の心のケアなどが課題だと指摘。小池氏は、支援員の配置など国の責任をもっと果たす必要があると応じました。
あわせて小池氏は、野党が一致して求めている被災者生活再建支援金の上限の300万円から500万円への引き上げを実現するため全力をあげると表明しました。
商工会議所では、中小企業の円滑な資金繰りを図るための震災貸し付けや震災保証制度の延長などが必要だと強調され、特に事業者再生支援機構の支援期間が15年と定められているが、本格復興に至っていない事業者も多く、支援継続を求めました。
青木会頭は「企業そのものの復興は終わっていない」と発言。高橋武徳専務理事は「水産業者の再生計画は、水揚げが今まで通りという形で立てていたが、いま魚があがらない。機構が解散したら困る」と訴えました。
小池氏は「経済の復興がこれからというときに、不漁が打撃になっている。本格的な復興へ国の本気の取り組みが必要です」と表明。大門氏は「震災支援策を今の到達を踏まえて、全面的に再構築する必要がある」と応じました。
仙台市では、党県議団、市議団と被災地の現状・課題について懇談しました。