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2020年2月14日(金)

全商連 消費税10%のアンケート

増税分転嫁ムリ4割

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 全国商工団体連合会(全商連)はこのほど「緊急消費税アンケート」の結果をまとめました。消費税10%が業者に与える影響を昨年12月からアンケート調査したもので、各都道府県連の役員ら76人が回答しました。

 消費税10%について「大きな影響が出ている」14・7%、「若干影響が出ている」50・7%で、合わせて65・4%を占めました。「影響はない」28・0%、「わからない」6・7%でした。

 複数税率については「大きな影響が出ている」6・9%、「若干影響が出ている」27・8%で、合わせて34・7%。「影響はない」54・2%、「わからない」11・1%でした。

 転嫁状況は「全くできていない」6・8%、「ほぼできていない」9・6%、「一部しかできていない」21・9%で、合わせて38・3%が完全には転嫁できていませんでした。「できている」は61・6%でした。

 全商連は「増税による悪影響は明らかだ。複数税率が導入されたが、増税から数カ月の時点で3割以上が『影響あり』と答えていることは重大だ。また、4割近くが増税分を完全には転嫁できていない。国が11月に行った調査では、完全には転嫁できていない業者は4社に1社となっているが、それと比べても高く、小規模業者ほど転嫁できない実態が浮き彫りになった」と分析しています。

空き店舗増える

 自由記述で、さまざまな声が寄せられました。

 岩手県の飲食業者は「過去の大冷害やリーマン・ショックのときより夜の街がさびしい。売り上げはかなり落ち込む」。秋田県の卸売・小売業者は「食品や雑貨、化粧品、酒類などを販売しているので商品によって税率が異なり、電話での注文の場合、伝票をわけて記載しなければならず大変」と答えました。

 福岡県の飲食業者は「商店街や飲食店で空き店舗が一気に増えている。人間の交流の場がますますなくなり、人間の存在が見えなくなってしまう」と危機感を記しました。

 北海道の飲食業者は「民商会員だけでも11月に1人、1月に1人廃業した。政治による業者の殺人だ」と怒りをつづりました。

インボイス不安

 2023年に導入が狙われているインボイス(適格請求書)制度への不安も多数、寄せられました。

 長野県の製造業者は「生業を営む者にとって、売り上げに課税されるほど理不尽で苦痛なことはない。ましてや、インボイス導入により課税業者にされることとなれば、納税額が生活費に食い込むことは間違いない」。

 福島県の不動産業者は「民商会員の大工や内装業者、車のクリーニング業者など、インボイスが始まったら廃業するしかないと言っている。中小業者つぶし以外の何ものでもない」と憤りを述べました。


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