2020年2月11日(火)
教育が企業のもうけに
大学入試の「主体性評価」批判
畑野議員 個人情報収集に懸念
衆院予算委 共産党が追及
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日本共産党の畑野君枝議員は10日の衆院予算委員会で、生徒の主体性を点数化して大学入試の合否判定に使うことを、「入試改革」に残された第3の柱として推進している安倍政権を批判し、政権と民間企業が一体となって教育を企業の利益拡大の場に変えようとしているのが実態だと「改革」全体の抜本的見直しを求めました。
安倍政権の「大学入試改革」では、英語民間試験の活用や国語・数学の記述式問題の導入が教育現場からの批判ですでに「延期」「見送り」となっています。
「主体性評価」の実証事業の例では、部活動の部長なら10点、副部長なら5点などと生徒の役職歴や活動実績を点数化しています。畑野氏は、生徒や教員から“家の手伝いは評価の対象にならないのか”“主体性が合否判定に結び付けられると生徒たちの活動が打算的になる”などの懸念の声があがっているとして中止を求めました。
「主体性」を評価するとして、生徒の活動データを蓄積し、入試と結びつけているのが「JAPAN e-ポートフォリオ」(JeP)というシステムです。一般社団法人「教育情報管理機構」が運営し、大手教育関連会社のベネッセが運営をサポートしています。
畑野氏は、同機構には「JePに連携し、蓄積した情報を活用して事業を行う」特定賛助会員としてベネッセやリクルートの関係企業が名を連ねていることを確認。機構が文科省の指示・承諾があれば、個人情報の目的外利用や第三者提供も可能とする協定を同省と結んでいることを畑野氏が示すと、伯井美徳高等教育局長は「指示・承諾は想定できず、見直しを行う予定だ」と答弁しました。
畑野氏は、民間企業のもうけのためにJePに高校生の個人情報が集められ、活用の歯止めもないのが実態ではないのかと批判。萩生田光一文科相は、指摘を踏まえ、「対応する」などと述べました。