2020年2月6日(木)
竹ではなかった“最古の竹”
ほんとうは針葉樹でした
80年前、南米アルゼンチンのパタゴニアで発見され、“最古の竹”とされた化石は、ほんとうは針葉樹であることがわかったと、米ペンシルベニア州立大学のピーター・ウィルフ教授が国際的な植物学誌『ファイトキーズ』(4日付)に発表しました。
この化石は1941年、始新世(約5600万年前~約3390万年前)初期の地層から見つかったもので、その形状と年代から最古の竹とされてきました。しかし、ほんとうに竹かどうか、疑問視する研究者もいました。
ウィルフ教授は、アルゼンチンのラ・プラタ博物館に保存されている化石の標本を調べました。その結果、80年前には竹と判断された部分が、詳しく調べた結果竹のものではないことがわかりました。ほかにも竹であることを示す部分はなかったといいます。
その代わりにウィルフ教授は、この化石が、パタゴニアの湖の底から見つかったレトロフィラム属の針葉樹の化石に似ていると指摘。両者は葉の形が正確に一致するとしています。
レトロフィラム属の針葉樹は、現在でも熱帯雨林に生えています。