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2020年2月6日(木)

論戦ハイライト

経済・暮らしに大打撃 消費税10%影響、首相は直視を

藤野氏、家計応援へ切り替え迫る

衆院予算委

 安倍政権が昨年10月に強行した消費税率10%への引き上げ。日本共産党の藤野保史議員は5日の衆院予算委員会で、2度にわたる消費税増税が暮らしや経済に深刻な打撃を与えている事実を示し、安倍晋三首相の認識をただしました。


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(写真)安倍晋三首相に質問する藤野保史議員=5日、衆院予算委

 消費税率10%への増税後、百貨店やスーパーマーケットなどの売り上げがマイナスとなって、閉店や倒産が相次ぎ、その要因の一つとして消費税増税の影響があげられています。

 藤野 耐えに耐えてきたが、10%増税が最後の一撃になった。2度の増税が、深刻な事態を生んでいる。

 首相 現時点では、全体として、前回ほどではない。

「認識が甘い」

 安倍首相は、8%への増税時よりも、駆け込み需要とその反動減の「幅」が小さいことをもって、「前回ほどではない」とごまかし、経済への悪影響を直視しない答弁に終始しました。

 藤野氏は「重大なのは、消費の落ち込みが続き、回復していないことだ」と強調。2人以上世帯の実質家計消費支出は、2013年の平均年額363・6万円から、増税後10月・11月には年額332・2万円となり、31・4万円減少していると指摘しました。

 藤野氏は、前回の8%増税に続く10%増税で家計消費が「日本が経験したことのない水準に落ち込んだ。『前回ほどではない』などという認識は甘い」と厳しく批判。「自ら行った2度の消費税増税が、家計から1カ月分の消費を奪った。この現実を直視すべきだ」と迫りました。

 藤野氏は、ポイント還元事業では、参加店舗の6割が、効果がなかったと回答していると告発。「売り上げが下がり、キャッシュレス比率が増える。現金が数カ月後に入ることで、資金繰りが苦しくなり、手数料負担も増える。多くの業者にとっては矛盾だ」と批判しました。

緊急に5%へ

 その上で、政府の経済見通しで、13~19年度で目標を達成したことがあるかと追及。西村康稔経済再生相は、国内総生産(GDP)の計算方法を変更して、かさあげした数字を示して回答。藤野氏は、その数字ですら目標達成は、15年度の1年だけだと指摘しました。

 藤野氏は、「経済がよいのなら、税収にも跳ね返る」として、法人税と所得税、消費税の基幹3税の見通しを質問。麻生太郎財務相は、法人税、所得税が減り、消費税だけが増えている実態を示しました。

 藤野 消費税だけが4兆円増えるだけだ。いったいどこがうまくいっているのか。

 首相 過去最高の税収というのは事実。消費税を引きあげる中でさまざまな影響が出ているのは事実だろう。

 藤野 昨年の施政方針演説でも「過去最高の税収になる」と言っていたが、実際は、減額補正され達成されていなかった。実態を見るべきだ。

 藤野氏は、ドイツ、フランス、イタリアも所得税を減税し、消費税に当たる税を据え置いているとして、「日本経済の6割近くを占める家計を応援する政治に転換すべきだ。そのためには消費税を緊急に5%に減税すべきだ」と訴えました。


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