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2020年1月30日(木)

京都市長選2.2決戦 記者座談会

福山さん 訴え抜く

現職陣営 反共・締め付け必死 最終盤 追い抜き、勝つ奮闘を

 京都市長選(2月2日投票)は大激戦のまま終盤に入りました。「つなぐ京都2020」の弁護士、福山和人候補(58)が現職の門川大作候補(69)を激しく追い上げる展開です。その様相を担当記者が話し合いました。


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(写真)早朝、駅頭で訴える福山和人市長候補=29日、京都市中京区

  終盤へ向け門川陣営のなりふり構わぬ反共攻撃や締め付けなどが強まっているね。福山候補は反共新聞広告には驚いたけど「僕は最後まで堂々と政策を訴えていく」と、街頭タウンミーティングなどを繰り返し、市民の声を聞きながら政策もバージョンアップさせている。その姿勢と訴えが、さらに共感を呼んでいる。演説を聞いて涙ぐむ聴衆を何人も見た。

演説に涙

  仕事をかけ持ち、中学生の子どもの弁当がつくれない。「だめな母親でしょうか」という女性に福山候補は「あんたのせいやない。悪いのは政治や」と訴える。その話を街頭で福山候補が紹介すると「それって、私のこと」と別の女性が語る。「しんどいのは、あなたのせいじゃない」という福山候補の言葉に「救われた思い」と涙ぐむ4児の母親もいた。

  大学門前で、福山候補が高すぎる学費のことに触れ、飲食店でアルバイトする学生の思いを紹介しながら、返さなくてもいい奨学金の話をしていると、そこにその学生がたまたまバイクで通りがかり、手を振る。「まるでドラマを見ているようだね」と思想家の内田樹(たつる)さんも感動していた。

  全員制の中学校給食や子ども医療費の中卒までの無料化、返さなくてもいい奨学金制度の創設など福山候補の「くらし応援すぐやるパッケージ」は、街頭でのシールアンケートや電話での対話でも反応がいい。市予算の1%でできるという財源も示して「ないのはお金やのうて、市長のやる気や」という訴えも説得力がある。

  門川市長は「子育て環境日本一」「待機児童6年連続ゼロ」と言い、ビラでも宣伝しているが、「どこがやねん」と怒るお母さんに何人も出会った。「待機児童ゼロ」は国の甘い基準によるもので、隠れ待機児童(潜在的待機児童)は1259人、定員オーバーは1882人(昨年10月1日現在)いる。そのことを指して福山候補が「1800人も定員外で詰め込んでいる」と指摘したら、門川市長はツイッターで「真っ赤なウソ」。あきれたね。市の資料がそうなっているのに。

まち壊し

  市民の声に寄り添う人権弁護士、福山候補の温かみと対象的だね。まち壊しでもそうだ。門川市長は「観光公害」などの不満が噴出したのに慌てて「宿泊施設お断り」宣言をしたが、高級ホテルの建設には規制を緩めて推進する姿勢に変わりがない。

  とにかく住民の声を聞こうとしない。だから、「これまで現職市長に投票してきた」という人が「まち壊しを止めるには市長を代えるしかありません」と福山候補の個人演説会で訴える事態になっている。小学校跡地にホテルを建設する計画も「市は先達たちがつくった『番組小学校』をホテルに売り渡すのか。こんなアホな現職にはやめてもらいましょう」と訴えて回る地元住民も。

反共広告

  現市政への批判と福山候補への期待の広がりに慌てたんだろうね。門川陣営は露骨な反共攻撃に出た。「大切な京都に共産党の市長は『NO』」の新聞広告には驚いたが、推薦人として名前と顔写真を掲載された著名人も驚いたようだ。「無断掲載だ」と。「未来の京都をつくる会」会長の立石義雄京都商工会議所会頭が「おわび」する事態に発展している。

  門川陣営は「多様性の尊重」とか「オール京都」「ワンチーム」とか言うけれど、排除の論理そのものだからね。

  これまでも「市庁舎に赤旗が立つ」とか言ってきたけど、演説会で「共産党をたたきつぶすぞ」と唱和するなどエスカレートしている。福山候補は「私が市長になったら建つのは保育所や特養老人ホームや」とスカッと切り返している。

  河野太郎防衛相の街頭演説もひどかったね。自衛隊の中東派兵のことには触れずに、「共産主義」批判を延々とぶった。

  7期28年京都府知事を務めた蜷川虎三(にながわ・とらぞう)氏が言った「反共は戦争前夜の声」という言葉を思い出す。防衛相が街頭で反共演説をぶち、京都市は18歳と22歳の宛名シールを自衛隊に提供する。息子に自衛隊から募集案内が来て「怖くなった」と「つなぐ京都2020」事務所に電話してきた親もいた。

緊急訴え

  門川候補が「先行」との情勢報道も出ているが、門川陣営は、12年前も「優位」と書かれ、951票差に迫られたことを演説会で繰り返し強調し「緩んだ方が負ける」と必死に引き締め、期日前投票をしたかどうかの「点検」を徹底している。

  28日には急きょ、自民党本部で近畿ブロック両院議員総会が開かれ、京都府連会長の西田昌司参院議員らが近隣府県からの応援、名簿提出を「お願い」している。

  日本共産党京都府委員会の渡辺和俊委員長は28日、「政策と公約で訴え抜き、追い抜いて勝つ」との緊急の訴えを出した。安倍内閣不支持の人々の中で福山候補と門川候補が競り合いになり、選挙に「大いに関心がある」人々の投票先は4割が福山候補。上向いていることは間違いない。

  問題は、現職陣営の組織戦を凌駕(りょうが)するに至っていないこと。政策も候補者も選挙に臨む良識でも「大義は我にあり」だ。「追い抜いて勝つ」ため、残る期間、寸暇を惜しんだ猛奮闘が求められているね。


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