2020年1月26日(日)
「私たちの要求は無視された」
ダボス会議閉幕 グレタさんら会見
【ベルリン=伊藤寿庸】スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が24日閉幕し、会議に参加した若い気候活動家ら5人が記者会見しました。口々に「私たちの要求は無視された」「化石燃料からの離脱へ直ちに行動を起こすべきだ」と訴えました。
スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんは、「危機を危機として扱わない限り、事実と科学を無視し続ける限り、私たちはこの危機を解決できない」と述べ、「世界経済フォーラムで私たちの要求は完全に無視された」と批判しました。
ドイツのルイーザ・ノイバウアーさんは、同フォーラムには「世界で最も豊かな会社、投資ファンド、個人が集まっているが、彼らの金がこの危機を加速させている」と指摘。ウガンダのバネッサ・ナカテさんは、「あなた方は(気候災害による)さまざまな人々の苦しみを見ながら、無視し、何を報道するかを選んできた」とマスコミの報道姿勢に厳しい目を向けました。
スイスのルキナ・ティーユさんは「(フォーラムは)楽観性のバブルに閉じこもっている。私たちはそのバブルをはじけさせないといけない」と述べました。
スウェーデンのイザベル・アクセルソンさんは、「(フォーラムの)焦点は気候危機の克服より、技術開発だった。私たちは存在していない技術には頼れない」として、温室効果ガスの排出停止が重要だと訴えました。
記者から、「トランプ米大統領などから中傷を受けたがどう思うか」と聞かれたトゥンベリさんは、「なんの影響もない。どうでもいいことだ」と質問を一蹴。グレタさんは21日の演説で、「米国の(地球温暖化対策の国際条約)パリ協定からの離脱は、許せないことで、みんなが心配している。しかし、パリ協定の約束をみなが破ろうとしているという事実を、権力の座にある人々はまったく気にしていないようだ」と述べていました。