2020年1月25日(土)
主張
衆参代表質問
希望の政治へ切り替えが急務
安倍晋三首相の施政方針演説に対し、日本共産党は志位和夫委員長が衆院で、山下芳生副委員長が参院で代表質問に立ちました。志位氏らは「桜を見る会」疑惑をはじめ内政・外交・人権などの焦点課題で首相の責任をただすとともに、行き詰まった政治を打開する道を提起しました。首相は、疑惑では居直りに終始し、政治の方向を切り替える具体的な提案についてもまともに答えません。真面目に議論する姿勢がない首相に政権を担う資格はありません。安倍政権を退陣させ、希望ある新しい政治を実現することが急務です。
疑惑ごまかし答弁の破綻
首相が無責任・無反省さを際立たせたのは、「桜」疑惑をめぐる志位氏への答弁です。志位氏は、施政方針で「桜」に一言も触れなかったことを厳しく批判した上、首相が直接の責任を免れない事実を突き付け、認識をただしました。
招待者について、安倍事務所が推薦したものの、最後は内閣官房・内閣府が取りまとめたから問題ないというが、事実上ノーチェックではないのか。悪徳商法の会長を首相推薦枠で招待した疑惑では、「個人情報」を盾に説明を拒むことは成り立たないのではないか。招待者名簿などの公文書を廃棄したことは、最初から組織的隠ぺいをはかったのではないか―。志位氏の指摘に、首相は「記録が残っておらず、詳細は明らかでない」などと開き直るばかりです。いくら「指摘はあたらない」と言っても説得力はありません。答弁が破たんしています。
首相の目玉政策であるカジノをめぐり、自分が担当副大臣に任命した衆院議員が逮捕された汚職事件でも反省は皆無です。疑惑でも汚職でも責任を感じない首相の姿勢は異常という他ありません。
暮らしと経済について志位氏は、消費税10%増税の過酷さと「全世代型社会保障」が、全ての世代を苦しめる中身である実態を告発し、財源を具体的に挙げながら、消費税を緊急に5%に減税し、社会保障を充実させる政策を示しました。しかし、首相は消費税増税を正当化し、社会保障改悪を推進する立場も改めようとしません。
日本のジェンダー平等の遅れと政治の責任をめぐる志位氏の質問に対する、首相の答えはあまりに後ろ向きです。男女の賃金格差是正の第一歩となる賃金状況の開示義務付けには応じません。選択的夫婦別姓の実現も「慎重な対応」としかいいません。同性婚については、曲解した憲法解釈を持ち出して背を向けました。自民党や閣僚からジェンダー平等に逆行する発言が繰り返されていることも深刻に受け止めようとしません。
男性も女性も多様な性を持つ人たちも、差別なく平等に尊厳をもって、自分の力を存分に発揮できる社会をつくるためにも、安倍政治からの転換が不可欠です。
共闘の力で新しい日本を
自衛隊の中東派兵について、志位氏はトランプ米政権追随をやめ、外交努力こそ必要と説きましたが、首相は聞き入れません。山下副委員長は、企業に雇用責任が問われない「使い捨て労働」が広がっている問題で対応を迫りましたが、首相は冷たい答弁です。
安倍政権の下では、日本の未来は開けません。市民と野党の共闘の力で安倍政権を倒し、政権交代を実現することが重要です。