2020年1月20日(月)
南アルプス壊す工事
リニア沿線住民ら全国集会
川崎
JR東海が国と一体で進めるリニア中央新幹線(東京・品川―名古屋間)の建設工事に反対するリニア新幹線沿線住民ネットワークと「ストップ・リニア!訴訟」原告団は19日、川崎市麻生区で「南アルプスにリニアはいらない」と題した全国集会を開きました。約210人が参加しました。
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南アルプス直下でのトンネル工事の影響について、3人の専門家が発言しました。
地質学者で静岡県中央新幹線環境保全連絡会議委員の塩坂邦雄さんは、大井川源流部のトンネル工事で懸念される水資源への影響について「静岡県から山梨県側に約210万立方メートル、長野県側に約10万立方メートルもの水が流出する。静岡県に戻すとしても生態系を破壊する。JR東海はどうするのか」と批判しました。
五十嵐敬喜・法政大学名誉教授は「南アルプスは2014年にユネスコエコパークに指定され、世界自然遺産と同等の価値を有している」と強調。「自然環境を完全な状態で保護することが求められ、開発行為は厳しく規制される。トンネルを掘ることは絶対に許されない」と指摘しました。
元日本自然保護協会保護室長の辻村千尋さんは「JR東海は南アルプスルートを決定したあとで、絶滅危惧種の生息域での対策を示している。環境への影響を回避しているとは言えない」と述べました。
東京と神奈川の沿線住民が工事の現状や問題点を報告しました。