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2020年1月19日(日)

第28回党大会

綱領一部改定案について 志位委員長が結語

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(写真)結語をのべる志位和夫委員長=18日、静岡県熱海市

 志位委員長は結語の冒頭、3日間の討論で88人が発言し、47都道府県すべてからの発言となったのは、2000年の第22回大会以来、20年ぶりだと指摘しました。「一人ひとりの個性が輝き、多様性が輝き、相互にリスペクトしあう、素晴らしい感動的な討論」となり、綱領一部改定、野党連合政権、強く大きな党づくりの三つのテーマが一体に議論され、「豊かなハーモニーを奏で、歴史的大会にふさわしい充実した討論となりました」とのべました。

 その上で、綱領一部改定案の結語について改定案がすでに大きな力を発揮していると語り、とくに若い同志から「政治は変わらない」と感じている若者が、綱領に出あうことで希望を見いだし、大きく成長し、民青同盟や党に迎え入れている経験が次々と語られたとのべました。

 中国に対する綱領上の見直しで、「中国にどう向き合うか」について積極的な受け止めが語られたのが一つの特徴だと強調。「批判は、世界の平和と進歩という大義に立ち、日中両国の真の友好という大義に立ち、節度をもって行います」と、重ねて表明しました。

 核兵器禁止条約をめぐって、綱領一部改定案は、そのすべてが机上の議論だけでつくりだしたものでなく、党の野党外交の経験と実感に裏付けられたものであり、その根本には日本国民のたたかいがあるとし、「全国の草の根からの運動が、ヒバクシャ国際署名の一筆一筆が、綱領一部改定案に実りました」と強調しました。

 ジェンダー平等について、同志社大学教授の岡野八代さんから「まるで新しい政党が誕生したかのような感動を覚えました」とのメッセージがよせられたことを紹介しました。参院選の候補者だった2人の女性やトランスジェンダーをカミングアウトした地方議員の同志の発言に触れ、党自身の自己改革をよびかけました。

 その上で、「中国に対する綱領上の見直しは、綱領全体に新たな視野を開きました」として、三つの角度から解明しました。

 第一に、20世紀に進行し、21世紀に生きた力を発揮している「世界の構造変化」の最大のものが、植民地体制の崩壊と100を超える主権国家の誕生にあることを、より端的に押し出したことです。志位氏は、「二つの体制の共存」という世界論を削除・見直したことで、植民地体制の崩壊を「世界の構造変化」の中心にすえ、綱領にも明記し、21世紀の希望ある流れを明記することにつながったと語りました。

 第二に、資本主義と社会主義の比較論から解放され、21世紀の世界資本主義の矛盾を正面からとらえ、資本主義の体制を乗り越える本当の社会主義の展望をよりすっきりと示すことができたことです。志位氏は、第26回大会で“社会主義をめざす国ぐに”が、「人民が主人公」という精神、人権と自由の拡大、覇権主義を許さない国際秩序などで「資本主義国との対比が試される」と指摘したものの、中国からはどの問題でも先駆性が示されなかったばかりか、深刻なゆがみや逆行が明らかになったと指摘。この比較論から解放されて、世界の資本主義の矛盾を正面からとらえ、本来の社会主義への展望、魅力を示すことができるようになったと語りました。

 第三に、「発達した資本主義国での社会変革は社会主義・共産主義への大道」という命題を堂々と押し出せるようになったことです。これはマルクス、エンゲルスの本来の、当然の立場でしたが、これまでの綱領では、資本主義の発展が遅れた状態から出発して、「社会主義をめざす新しい探究を開始」している国が、世界史的な流れとして存在しているとの認識だったため、簡単にその断定を繰り返すわけにはいかなかったと指摘。今回の改定で、社会主義革命の世界的展望にかかわるマルクス、エンゲルスの立場を正面から押し出せるようになったと語りました。

 最後に志位氏は、「綱領一部改定によって、綱領の生命力は一段と豊かなものに発展させられました」と強調。「この綱領を、国民の中で大いに語り、日本の未来を語り合う一大運動を起こすことを心からよびかけます」と述べました。

 「日経」が「逆境の資本主義」という連載を掲載し、最終回で「この先も資本主義に代わる選択肢はない」と「逆境」を認め、論じながら未来を語ることができないと指摘。「いま世界資本主義が深い矛盾に陥っているもとで、それを乗り越える未来社会への展望を語れる政党は、日本共産党をおいてほかにないことに、誇りと確信をもって進もうではありませんか。一部改定される綱領を手に、日本の民主主義革命の展望、社会主義的未来の魅力を大いに語ろうではありませんか」と訴えると、大きな拍手が湧き起こりました。


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