2020年1月13日(月)
性暴力ない社会へ
各地でフラワーデモ
全国各地で11日に取り組まれた、性暴力のない社会を求める、今年最初の「フラワーデモ」の一部を紹介します。
埼玉
さいたま市のJR浦和駅東口では、声を詰まらせて自らの性暴力被害を語る女性たちに、参加者が温かい拍手を送りました。
呼びかけ人の一人で作家の北原みのりさんは「“With You”を広げて被害者が孤立せずに、こんな犯罪がもうなくなるような声をつくっていきたい」と話しました。
被害者らでつくる「Spring」代表理事の山本潤さんらが自らの被害を語り、刑法改正を訴えました。
埼玉県の呼びかけ人の一人、白田真希さんは「今日は覚悟をしてきた」と自身の被害を告白。スカートや化粧など女性に見えることを無意識に拒み、男性に間違われて傷ついてもきたと語りました。
日本共産党の梅村さえこ前衆院議員らが参加しました。
静岡
静岡県沼津市では県東部地域の有志の女性らの呼びかけで2回目の「フラワーデモ」が行われ、SNSや口コミにより20人余が参加。プラカードや造花を手に持ち、つらかった体験や、性被害をなくそうと連帯の言葉が交わされました。
過去に満員電車で痴漢をされたと告白した女性は「相手を人と思っていない行為です。安心して乗り物に乗れる社会になってほしい」。身近な人から強制わいせつを受け、周りに話せずつらかった気持ちを打ち明けた女性は「もっと被害者を支える社会になってほしい」と望みました。「被害者に落ち度はない。寄り添って重荷を分かち合いたい」との声が寄せられました。
男性参加者は、相手を深く尊ぶ社会にさせる決意を述べました。
京都
底冷えの京都市中京区の御射山(みさやま)公園では、約40人が集まりスピーチしました。
呼びかけ人の一人、北原みのりさんはメッセージで、昨年末の伊藤詩織さんの勝訴判決について「私たちの声がこの社会の空気を変えてきたのだという希望を感じられる判決」「声を上げることは無駄じゃない」と指摘。参加者は真剣な表情で聞き入っていました。
牧野雅子さん(龍谷大学犯罪学研究センター博士研究員)は、伊藤詩織さんの勝訴判決の報告集会に参加した感想を語りました。
大学院生の男性は「同僚の『性犯罪の被害者にも落ち度がある』という発言にうまく反論できなかった。性別に関係なく、当事者意識を持ちたい」と話しました。
沖縄
那覇市の沖縄県庁前では、被害者に寄り添う思いを込めた花を手に、100人以上が集まりました。
マイクを握った同県宜野湾市在住の40代の女性は、被害を受けたことを近しい人にも言わず苦しんできたと述べ「受けた被害は軽い方だと思い込まされていた」「ひどい目にあって嫌だったと、言えるうちに言おうと思った」と語りました。
那覇市在住の女性(69)は「支える人がいるよという意思表示のつもりで来ている」と述べ、初参加の同県北中城村(きたなかぐすくそん)在住の女性(57)は「(被害者の訴えを)聞く雰囲気をつくることが、黙らされていた人が声を上げる素地になる。(フラワーデモは)とても大事」と話しました。