2020年1月9日(木)
性暴力 二次被害も
長崎地裁 原告側が市を追及
フラワーデモ開く
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長崎市の男性部長(故人)から取材中に性暴力を受けたとして、女性記者が市に、3500万円の損害賠償と謝罪を求めた訴訟の第4回口頭弁論が7日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)でありました。
原告側は、市が性別による差別的扱いやセクシュアルハラスメントを禁止する条例を制定していながら、これを市の職員に指導・徹底しなかったことを指摘。男性部長と女性が「男女の関係にあった」などとする幹部職員による虚偽のうわさの流布や、週刊誌への一方的な情報の提供で、虚偽情報が週刊誌によりふりまかれるなど、二次被害防止を怠った責任を追及しました。
原告側の弁護士が女性記者の意見陳述書を代読。女性は「被告が週刊誌の動きについて知りながら、何もしなかったのは事件の責任を私に転嫁し、世論の矛先が被告に向かないようにしたという以外に考えられない」と指摘し、「こんな差別を平然とやる行政があるとは信じられない」と訴えました。
裁判に先立ち、裁判所前でフラワーデモが開かれました。「長崎市は謝罪を#WithYou」と書かれた横断幕を掲げ「長崎市幹部による性暴力事件の被害者を支える会」のメンバーら約20人がガーベラの花などを持ち、アピールしました。
新聞労連の南彰委員長は「世界に向け平和を訴え、人権を大切にするという長崎市の姿勢が疑われかねない事態。市は謝罪すべきだ」と力を込めました。