2020年1月5日(日)
きょうの潮流
年明けの、何という愚かで乱暴な行為でしょうか。トランプ米政権が突如、イラン「革命防衛隊」精鋭部隊のソレイマニ司令官を攻撃し、殺害。しかも、現場はイラク領内で、同国の承認も得ていません▼今回の攻撃はトランプ大統領の指示によるものです。ソレイマニ氏が米国の外交官や米兵への攻撃を画策していたとして、「戦争をやめるためだった」と正当化します。しかし、どのような理由をつけても、米国の行動は国際法上、違法行為となる先制攻撃であり許されません▼そもそも、「戦争をやめるため」どころか、イラン側は軍事報復を明言し、米軍も3500人の増派を決定しました。中東に新たな戦争の火種を持ち込んだのは誰が見ても明らかです。しかも、イランは中東でも有数の軍事大国です。泥沼化を懸念し、早くも世界各国のツイッターで「第3次世界大戦」がトレンド入りしています▼トランプ氏がイランの司令官殺害を指示した真の理由は何か。11月の大統領選をみすえ、ウクライナ疑惑による苦境から国民の目をそらさせようという思惑も透けて見えます▼大統領の命令一下、このような行為が可能なのは、世界中どこでも先制攻撃を可能にするため地球規模で軍事基地の網の目を張り巡らせているからです。このような国は米国以外にありません▼その米軍基地が世界で最も集中しているのは日本です。日米安保条約改定60年となることし、日本が地球規模の侵略拠点になっている事実を見つめなおす必要があります。