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2019年12月27日(金)

全米22州最賃アップ

680万人対象 来月から

連邦レベルで15ドル実現訴え

 【ワシントン=遠藤誠二】米国の民間シンクタンク「経済政策研究所」(EPI)は24日までに、来年1月1日から全米50州中22州、労働者680万人の最低賃金が上がるという調査結果を発表しました。賃上げは総計で82億ドル(約8980億円)となります。

 22州のうち9州(ニューヨーク、カリフォルニア、マサチューセッツ、イリノイ、ミシガン、ニューメキシコなど)が州議会による法制化で、6州(ミズーリ、コロラド、アリゾナ、ワシントンなど)が住民投票で実現。7州(フロリダ、ミネソタ、オハイオなど)がインフレ率の上昇にあわせた賃上げです。

 法制化による最賃上げ9州のうち6州(ニューヨーク、カリフォルニア、イリノイ、マサチューセッツなど)が最終的に時給15ドル(約1640円)となります。

 最賃時給が最も上がったのは、ニューメキシコ、ワシントン両州の1・5ドル。上昇幅を年間にすると、22州最大がワシントン州の1700ドル、最少がフロリダ州の150ドルでした。

 米国では2012年にニューヨークのファストフード店の労働者らが賃上げを求めストライキを行ったことがきっかけで、時給15ドルを要求する運動が広がり、「ファイト・フォー15ダラーズ」が結成され、賃上げキャンペーンを展開してきました。

 労働者の運動を受け州ごとに最賃引き上げが法制化するなか、7・25ドルにとどまっている米連邦政府が定める最賃も今年7月、2025年までに15ドルをめざす法案が下院で提出されました。米国の最賃は連邦政府最賃と州など地方自治体の最賃とのうち、額が高い方が適用されます。

 「ファイト・フォー15ダラーズ」は、「4300万人の米国民が貧困にあえいでいる。最低賃金時給15ドルは1700万人の労働者の賃上げを後押しする」と指摘し、地方とともに連邦レベルでの最低賃金15ドル実現を訴えています。


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