2019年12月25日(水)
英語民間試験 文科省が議事録公開
地域間格差出ないのか 障害者に配慮できるか
検討会で懸念続出
文部科学省は24日、非公開としてきた大学入学共通テストでの英語民間試験の活用を議論した同省「検討・準備グループ」の1~9回目の議事録を公開しました。地域間格差や障害者への配慮に対する懸念が相次ぎ、9回目の会合でも「本当に実施できるのか」との疑問が出されていました。安倍政権が英語民間試験の抱える深刻な問題を認識しながら、導入ありきで突き進んだことが明らかとなりました。
議事録は日本共産党の畑野君枝議員が10月30日の衆院文部科学委員会で初めて公開を要求。英語民間試験の導入過程を明らかにするうえで不可欠な資料として、野党が一致して公開を求めていました。
7回目の会合では、伯井美徳委員(現文科省高等教育局長)が、現行のセンター試験で障害者への特別な配慮が手厚いことをあげ「同じことを民間の技能検定にすべて求めると、認定できる検定はどこもなくなってしまう」と指摘。他の委員から「地域間・学校間で格差が出てしまったら意味がない」との意見も出ていました。
英語民間試験について安倍政権は、「検討・準備グループ」の議論を踏まえて導入を決定したと説明。公平性・公正性に重大な欠陥があるとの批判の高まりを受け、20年度からの導入は見送ったものの、中止は表明していません。
「検討・準備グループ」はまた、大学入学共通テストへの記述式問題の導入についても議論していましたが、英語民間試験と同様意見はまとまっていませんでした。
同省は同日、同じく野党が公開を求めていた「英語4技能評価ワーキンググループ」の議事録も公開しました。