2019年12月20日(金)
医療・介護 減免見直し
政府 東日本大震災復興方針案
政府は19日、全閣僚で構成する復興推進会議を首相官邸で開き、東日本大震災の「復興の基本方針」案を了承しました。同案は、東京電力福島第1原発事故の避難指示区域などに居住していた住民に対する医療・介護保険の保険料・窓口負担の減免措置について「公平性等の観点から、適切な見直しを行う」などとしました。被災地では介護保険料が全国平均より高くなるなどの問題が起きており、減免措置が廃止されれば、避難者に重い負担が強いられることになります。
地方団体など存続を求めていた復興庁については、設置期限を2030年度末まで10年間延長することとしました。次期通常国会に関連法案を提出します。
復旧・復興事業費は21年度からの5年間で1兆円台半ばと見込んでいます。主にインフラの復旧などに充ててきた「復興交付金」は、20年度末で廃止するとしました。
これまで復興交付金を充ててきた災害公営住宅の家賃低廉化・特別家賃低減事業は、復興交付金の廃止に伴い「別の補助に移行した上で引き続き支援する」としました。
同方針案は、この間の復興支援によって、地震・津波被災地域では「復興の総仕上げの段階に入った」とし、原発事故の被災地域でも「復興・再生が本格的に始まっている」と主張。原発事故の汚染水については、経済産業省の小委員会での議論を踏まえ「政府として結論を出していくことが必要」だとしています。