2019年12月17日(火)
アルマ望遠鏡
宇宙初期に巨大炭素雲
未知の物質拡散メカニズム?
宇宙初期の巨大炭素ガス雲をアルマ望遠鏡で発見したと、東京大学、国立天文台、大阪大学など日欧の観測チームが16日、発表しました。雲は炭素源である銀河の5倍もの領域に広がっていました。これほど広い領域への物質の拡散は最新の理論を使っても再現できず、未知の物理メカニズムが働いている可能性を示すといいます。
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日欧の観測チーム
138億年前に誕生した直後の宇宙には、水素、ヘリウムといった軽い元素しか存在していませんでした。それより重い炭素や酸素などの元素は、水素を材料にして生まれた星の内部の核融合反応などで合成されたと考えられています。これらの重元素が、いつどのように宇宙に広がっていったのかは謎です。
観測チームは今回、南米チリにある巨大電波望遠鏡アルマによる観測データの保存記録に着目。初期銀河18個の観測データを重ね合わせて従来の5倍に相当する感度を達成し、炭素ガスが放つ微弱な電波信号を検出。宇宙誕生後10億年の時代の銀河には、平均的に半径3万光年もの巨大な炭素ガスの雲があったことをつきとめました。
これまでに宇宙誕生の数億年後の銀河の内部で炭素や酸素が見つかっていたものの、銀河外にどれほど広がっているかは観測感度が足りず未解明でした。
銀河内で合成された炭素は、超新星爆発や巨大ブラックホールによる高速ガス流などによって周囲にばらまかれると考えられていますが、観測チームの藤本征史デンマーク・コペンハーゲン大学特別研究員は「星が見えないところに、これほどまでに広がっているのは予想外の結果だ」と話しています。