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2019年12月17日(火)

香港警察の暴力の実態

逮捕後に殴る、催涙ガスで発疹

「事実を知ってほしい」 都内でシンポ

 政府への大規模な抗議行動が続く香港情勢について考えるシンポジウム(国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」主催)が14日、都内で開かれ、香港でデモを取材したジャーナリストや在日香港人らが香港警察の暴力の実態などを生々しく語りました。(小林拓也)


写真

(写真)14日、都内で開かれたシンポジウムで報告するキセキミチコ氏(右)と堀潤氏

 香港に滞在し、デモの最前線で撮影を続けている写真家のキセキミチコ氏は、自分や友人らの経験を報告しました。

叫んで記録残す

 友人の一人は、会社の帰り道にたまたま警察とデモ隊との衝突に遭遇。催涙ガスを防ぐため常に携帯しているマスクを着けたところ、覆面禁止規則違反で逮捕されました。その際、目に催涙スプレーをかけられました。逮捕され車両に入れられた後、警官に殴られたといいます。

 インタビューした一人の若者は、警察に逮捕される際、馬乗りにされ、引きずられました。また、ズボンを脱がされるというセクハラも受けました。

 若者たちは逮捕される時、近くで録画している記者たちに向かって自分の名前を叫び、「私は自殺しない」「いまはけがはしていない」と叫ぶといいます。「逮捕されてそのまま行方不明になる人もいるという。記録に残し、逮捕された後にどうなるかを確認してもらうためだ」(キセキ氏)

 キセキ氏自身も警察の放水車両が放つ青い水を浴びました。「青い水は服に付くと落ちない成分で、警察が後でデモ参加者を逮捕する目印にしている。この水が肌にかかるとかなり痛い。足にかかって、一晩中ヒリヒリ痛かった」と語りました。

国際社会が声を

 現地取材したジャーナリストの堀潤氏は「日本では、香港の若者たちが過激化しているという前提で話が始まる。しかし起きているのは警察の暴力化だ。警察の重装備とデモ隊の装備には圧倒的な力の差がある」と強調しました。

 「起きていることは非人道的で人権弾圧だと声を上げる国際社会が必要だ。日本は突き放していいのだろうか」と提起。「日本共産党が非人道行為だといち早く表明した」ことを歓迎しました。

 キセキ氏は「日本人に香港で何が起きているのかまず知ってほしい」と語り、17日から都内で写真展(別項)を開くことを紹介しました。

 在日香港人や香港を取材した学生ら10人がリレートーク。在日香港人のMaggie(マギー)さんは、警察が使っている催涙ガスで発疹や下痢、頭痛、めまい、生理不順などの症状が出ていると告発。「私も8月のデモに参加し、催涙ガスを浴びて、いまだに皮膚科に通っている」と訴えました。

 別の在日香港人は「香港人を応援するだけでなく、自分の国の民主制度に欠陥はないのか、今の政権は市民本位で動いているのかなど、香港をきっかけに自分の国の政治や国際政治に関心を持ってほしい」「日本の若者にも、立ち上がれば、投票すれば、世の中が変えられると発信したい」などと次々に呼び掛けました。

■キセキミチコ写真展

 キセキミチコ写真展「2019年 香港 私の悲しみと祈り #まずは知るだけでいい展」

 日時・12月17日(火)~22日(日) 午前11時~午後7時、22日のみ午後5時まで

 場所・東京都渋谷区渋谷3の16の3高桑ビル地下1階「ギャラリー・ルデコ」

 電話・03(5485)5188 入場無料


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