2019年12月15日(日)
「勝ち金」課税見送り
与党税制大綱 カジノ業者萎縮理由に
自民・公明両党の税制調査会が12日決定した税制改定大綱では、国内のカジノでの客の「勝ち金」への課税措置の明記が見送られました。財務省が海外客への源泉徴収などを提案しましたが、自民党議員から強い反対論があがっていました。
カジノを含め、賭博での勝ち金は、本来一時所得として課税の対象になります。
財務省は与党の税調にたいして、将来開業が予定されるカジノを中核とする統合型リゾート(IR)のカジノ施設での客の「勝ち金」を所得として捕捉し、課税する方策を提示していました。
財務省の案は▽日本人客については、マイナンバーカードを使って客のすべての賭けの履歴を記録し、勝ち金(チップの購入額と換金額の差)を一時所得として申告させ、課税する▽海外からの客については後日の税務調査が困難なことから、所得にたいして源泉徴収する―としていました。
これにたいして自民党内などから「事業者の事務負担が重くなり、日本のカジノへの投資意欲を萎縮させかねない」などの反対論が出されていました。
最終的に、来年度の税制大綱への明記は見送られ、今後の検討事項として「カジノから生じる所得の適正な申告の確保の観点から、関連する納税環境の整備について、今後検討する」とのべるにとどまりました。(竹腰将弘)