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2019年12月5日(木)

COP25inマドリード

被害は先進国の責任

会場でアジア各国市民訴え

写真

(写真)「被害は先進国の責任」と訴える人たち=3日、マドリード(小梶花恵撮影)

 【マドリード=小梶花恵】国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開かれているマドリード市の会場内で3日、ネパール、インドネシア、タイ、インド、フィリピン、スリランカなどアジア各国の市民が横断幕を掲げ、「私たちが求めるのは気候資金だ」と訴えました。温室効果ガスを多く排出した先進国の責任を主張し、気候変動による損害を支援する枠組みをつくるよう求めています。

 アジアなどの熱帯は気温上昇による被害を受けやすく、近年巨大台風や干ばつを繰り返しています。防災インフラが脆弱(ぜいじゃく)なため、災害が起こると被害が先進国より大きくなります。フィリピンの環境NGOのジョン・レオ・アルゴさん(25)は「フィリピンは複数の巨大台風に見舞われ、短い期間に20万人の住民が土地を追われています。炭素の代償は汚染した人たちが払うべきで、私たちが払うべきではありません」と話しました。

 国際環境NGO、FoEスリランカのヘマンサ・ウィサナゲさんは会見し、「この被害の原因は主に私たちではなく、先進国や石油会社、ガス会社にあり、気候資金をつくる責任は先進国にある」と主張しました。

 FoEジャパンの小野寺ゆうりさんは「現在の国際的な支援や緊急援助の体制は、紛争が増えたこともあり限界にきています。将来の被害規模に応じた国際協力体制をつくらないと、途上国の財政は破綻するでしょう。現在議論しているものが現実の被害に対応できるものになるかが問われています」と述べています。


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